バルトレックス錠を途中でやめるとどうなる?帯状疱疹などの症状ごとに解説
「バルトレックスの服用を途中でやめるとどうなるの?」「必ず飲みきらないといけないの?」と気になっている人に向けて、この記事では途中でやめた場合の影響を解説します。バルトレックスを服用するときの注意点も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
お薬通販部スタッフ[監修]

この記事では、バルトレックス錠を途中でやめるとどうなるのか解説します。
バルトレックスは、ヘルペスウイルスの増殖などを抑える抗ウイルス薬です。
主に帯状疱疹や単純疱疹(口唇ヘルペス・性器ヘルペス)、水痘(水ぼうそう)などに効果が期待できます。
しかしながら、バルトレックス錠の服用を自己判断でやめてしまうと、症状の再発や悪化を引き起こすおそれがあるので注意しなければなりません。
この記事では、バルトレックス錠における疾患別の服用期間や注意点、途中でやめるリスクなども詳しく解説します。
目次
バルトレックス錠とは?

バルトレックス錠は抗ウイルス薬の一種で、有効成分としてバラシクロビル塩酸塩が含まれています。
体内に入るとアシクロビルという成分に変化し、ヘルペスウイルスの増殖を抑制する作用を示すのが特徴です。
単純疱疹(口唇ヘルペス、性器ヘルペス)や帯状疱疹、水痘などの治療や再発予防の目的で使用されています。
バルトレックス錠は、ウイルスを完全に死滅させるのではなく、増殖を抑えて症状の悪化や再発を防ぐことが目的です。
そのため、医師の指示どおりに決められた日数を服用し続けることが重要です。
バルトレックスを途中でやめるとどうなる?

バルトレックスを自己判断で途中でやめることには、いくつかの重大なリスクがあります。
症状が一時的に改善したように見えても、ウイルスの活動が完全に抑えられていない可能性があり、再発や症状の悪化を招くおそれがあります。
特に帯状疱疹や性器ヘルペスでは再発のリスクが高く、初期治療の継続が重要です。
また、処方された日数を守らずに服用すると、薬剤耐性のリスクや症状を長引かせたりする可能性があります。
副作用や体調不良などで服用を中止したい場合は、必ず医師に相談し、適切な対応を受けましょう。
ここからは、それぞれの症状ごとに服用期間の目安を紹介します。
単純疱疹(口唇ヘルペス)の服用期間の目安
単純疱疹、特に口唇ヘルペスに対してバルトレックスを服用する場合、成人には通常1日2回、バラシクロビルとして1回500mgの服用が推奨されています。
体重40kg以上の小児も同様に1日2回、1回500mgを服用し、いずれの場合も5日間を目安に服用してください。
ウイルスの増殖を早期に抑え、症状の進行を抑えたり痛みを軽減したりすることが可能です。
治療効果は比較的早くあらわれることもありますが、症状が落ち着いたからといって途中で服用をやめるとウイルスが再活性化します。
その結果、症状が長引いたり再発したりするおそれがあるでしょう。
帯状疱疹の服用期間の目安
帯状疱疹に対して、成人はバラシクロビルとして1回1,000mgを1日3回服用します。
体重が40kg以上の小児も同様に、バラシクロビルとして1回1,000mgを1日3回服用してください。
皮疹が出て5日以内に服用を開始し、7日間続けましょう。
帯状疱疹は、神経に沿って強い痛みや発疹が出るため、ウイルスの増殖を早期に抑えることが重要です。
症状が改善したとしても、自己判断で服用を中止すると痛みが長引いたり、帯状発疹後神経痛を引き起こしたりするリスクが高まります。
処方された期間を守り、ウイルスの活動をしっかり抑え込むことが再発や合併症の予防には重要です。
水痘の服用期間の目安
水痘に対して服用する場合、成人はバラシクロビルとして1回1,000mgを1日3回服用します。
体重40kg以上の小児の場合も同様に、バラシクロビルとして1回1,000mgを1日3回服用してください。
皮疹が出て2日以内に服用を始め、成人は5〜7日間、小児は5日間続けましょう。
特に、成人では症状が重くなりやすいため、早期の治療開始が重要です。
発疹が出始めたタイミングで治療を始めると、症状の軽減や治癒までの期間短縮が期待できます。
性器ヘルペス(再発抑制)の服用期間の目安
性器ヘルペスの再発抑制に対して、成人はバラシクロビルとして1回500mgを1日1回服用します。
体重40kg以上の小児も同様に、バラシクロビルとして1回500mgを1日1回服用してください。
なお、HIV感染者の場合は、成人・小児ともに1回500mgを1日2回服用する必要があります。
免疫が正常な人がバルトレックスを服用している間に性器ヘルペスの再発が見られた場合は、1日2回の服用に変更しましょう。
性器ヘルペスの再発抑制を目的とする場合、1年間服用を続けた後、継続の服用があるかどうかを医師に判断してもらうことが基本です。
バルトレックス錠を服用するときの注意点

ここでは、バルトレックスを正しく服用するときの注意点として以下を解説します。
飲み忘れたらどうすればよい?
バルトレックスの服用を忘れた場合は、思い出した時点で1回分をすぐに服用してください。
ただし、次の服用時間が近い場合は、1回分を飛ばして通常どおりの時間に次の分から服用しましょう。
2回分を一度に服用するのは避けてください。
過剰な量を一度に服用すると、下痢や吐き気、腎臓への負担など副作用のリスクが高まるおそれがあります。
飲み忘れが続くと治療効果が十分に得られなくなるため、できる限り決められた時間に服用する習慣を付けることが重要です。
副作用が出たら途中でやめるべき?
バルトレックスの副作用として、主に腹痛や下痢、吐き気、頭痛などが挙げられます。
これらが軽度で一時的なものであれば、様子を見ながら服用を続けてもほとんどの場合は問題はありません。
しかし、発疹や呼吸困難、尿量の減少などの重篤な症状があらわれた場合は、すぐに服用を中止し、医師に相談してください。
副作用が不安な場合でも、自己判断で服用を中止せず、必ず医師の指示を仰ぐことが重要です。
服薬を途中でやめると、治療効果が不十分になり、症状の再発や悪化につながるリスクがあります。
他のお薬と併用しても大丈夫?
バルトレックスにおいて、特定の併用禁忌薬は報告されていません。
つまり、他のお薬と併用しても直ちに重大な副作用が起こるようなケースは存在しないといえます。
ただし、以下のように併用に注意が必要なお薬はいくつか存在するため注意しましょう。
プロベネシド | 活性代謝物のアシクロビルの排泄が抑制され、副作用が出やすくなる可能性がある。 |
シメチジン | 活性代謝物のアシクロビルの排泄が抑制され、副作用が出やすくなる可能性がある。 |
ミコフェノール酸モフェチル | ミコフェノール酸モフェチルとアシクロビルの排泄が抑制され、副作用が出やすくなる可能性がある。 |
テオフィリン | テオフィリンの中毒症状があらわれることがある。 |
飲んではいけない人はいる?
バルトレックスは、すべての人が安全に服用できるお薬ではありません。
特にバルトレックス、あるいはアシクロビルに対して過敏症の既往歴がある人は、服用が禁止されています。
また、腎障害があったり、腎機能が低下していたりする人も服用には注意が必要です。
該当する人が服用すると、活性代謝物であるアシクロビルの曝露量が増加し、精神神経症状や腎機能障害が生じる可能性が高いことがわかっています。
その他、免疫機能が低下した人が水痘の治療にバルトレックスを服用する際の安全性や有効性は確立していません。
まとめ

バルトレックスは、ヘルペスウイルスの活動を抑えるために用いる抗ウイルス薬で、症状を軽減し、再発を防ぐうえで非常に重要な役割を果たします。
しかし、症状が改善したからといって自己判断で服用を途中でやめてしまうと、ウイルスが再び活性化し、再発や症状の悪化を引き起こすおそれがあるので注意が必要です。
服用期間は疾患ごとに異なり、医師の指示にもとづいて適切な期間を守ることが不可欠です。
また、バルトレックスに併用禁忌薬はないものの、併用注意のお薬がいくつか存在します。
他に併用しているお薬がある人は、念のため医師や薬剤師に相談し、同時に服用しても問題ないかを確認してもらってからバルトレックスを服用しましょう。
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