トラマドールの有効成分トラマドール塩酸塩について
トラマドールはオピオイド鎮痛剤(非麻薬性製剤)の一種で、慢性疼痛などの治療に用いられます。トラマドールの有効成分について解説します。
お薬通販部スタッフ[監修]

トラマドールは慢性疼痛や、非オピオイド鎮痛薬では治療困難なガンの治療に用いられる医薬品です。
有効成分にトラマドール塩酸塩を配合しており、オピオイドμ受容体に作用し、痛みを緩和する点が特徴です。
本記事では、トラマドールの有効成分であるトラマドール塩酸塩について解説します。
目次
トラマドール塩酸塩について

トラマドール塩酸塩の作用について解説する前に、そもそもトラマドールがどのような医薬品なのか知っておきましょう。
オピオイド系鎮痛薬の一種
トラマドールは痛み止めのなかでも、オピオイド系鎮痛薬に分類される医薬品です。
一般的にオピオイドは麻薬性鎮痛薬を意味しますが、トラマドール塩酸塩に関しては麻薬扱いにはなりません。
医療用麻薬としてはモルヒネやオキシコドン、フェンタニルなどがよく知られており、強力な鎮痛作用が特徴です。
一方で、吐き気や嘔吐、便秘、呼吸抑制などの副作用、および耐性・依存などの問題があります。
トラマドールは副作用が比較的軽微で依存性が少なく、安全性が高く使用しやすいとされています。
特徴
トラマドール塩酸塩は鎮痛に関わるオピオイドμ受容体に作用し、身体に生じるさまざまな痛みを緩和する点が特徴です。
また、脳内神経伝達物質のセロトニンおよびノルアドレナリンの再取り込みを阻害する作用があるため、痛みの情報が脳に伝えられるのをブロックするはたらきもあります。
歴史
トラマドール塩酸塩は東西冷戦下の西ドイツの製薬会社「グリューネンタール」が合成に成功し、1977年には中枢性の経口鎮痛剤として販売が開始されました。
1994年にはアメリカで、翌1995年にはイギリスでも発売が開始され、現在では100ヶ国以上で販売されています。
モルヒネをはじめとする強オピオイドに比べると比較的副作用のリスクが低く、厚生労働省が定める指定薬物にも分類されていません。
日本では1978年からガン性疼痛および術後痛に対して、トラマドール塩酸塩が注射剤として使用されてきました。
その後、2010年に経口剤のトラマドール錠がガン性疼痛の適応で、2011年に非ガン性慢性疼痛および抜歯後疼痛の適応で発売された経緯があります。
トラマドール塩酸塩の作用

トラマドール塩酸塩には、主に以下2つの作用があります。
侵害受容性疼痛に対する抑制作用
マウスおよびラットを用いた侵害刺激実験において、トラマドール塩酸塩を投与した群では鎮痛効果を示しました。
神経障害性疼痛に対する抑制作用
神経障害性疼痛モデルのラットに対してトラマドール塩酸塩を投与したところ、抗アロディニア作用が確認されました。
アロディニアは微小な刺激が痛みとして認識される感覚異常のため、トラマドール塩酸塩が慢性疼痛に対して効果的であることを示唆しています。
トラマドールを取り扱う際の注意点

トラマドールは高温・多湿の環境を避け室温で保管してください。12歳未満の服用は禁止されているため、乳幼児や小児の手が届かない場所で保管する必要があります。
また、他の薬剤やサプリメントと同じ場所で保管することは避けてください。薬剤やサプリメントの成分により、トラマドールの性質や形状が変化する恐れがあります。
まとめ

トラマドールの有効成分であるトラマドール塩酸塩には、オピオイドμ受容体に作用し、痛みを緩和する効果があります。
また、脳内神経伝達物質のセロトニンおよびノルアドレナリンの再取り込みを阻害し、痛みの情報が脳へ伝達されるのを妨げる作用もあります。
トラマドールは海外製の医薬品のため、購入の際には信頼できる個人輸入代行サイトを利用するのがおすすめです。
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