アシクロビルの併用注意薬と服用に注意が必要な人
お薬通販部スタッフ[監修]
アシクロビルは単純ヘルペスウイルスや水痘・帯状疱疹ウイルスの治療に広く使用される抗ウイルス薬です。
しかし、併用する薬や患者の状態によっては注意が必要な場合があります。
本記事では、アシクロビルの併用注意薬と、使用に際して特に注意が必要な人について詳しく解説します。
目次
アシクロビルの併用注意薬
アシクロビルを服用する際、いくつかの薬剤との併用には注意が必要です。
主な併用注意薬について説明します。
プロベネシド
プロベネシドは痛風の治療に使われる薬です。
この薬とアシクロビルを一緒に使うと、体内でのアシクロビルの処理が遅くなることがあります。
具体的には、腎臓からアシクロビルを排出する速度が遅くなり、結果としてアシクロビルが体内に長くとどまってしまいます。
これにより、アシクロビルの副作用が出やすくなる可能性があるので注意が必要です。
シメチジン
シメチジンは胃酸の分泌を抑える薬で、胃潰瘍などの治療に使われます。
この薬もプロベネシドと同様に、アシクロビルの体内での処理を遅くする効果があります。
アシクロビルが腎臓から排出されにくくなり、体内に長く留まることで、副作用のリスクが高まる可能性があります。
ミコフェノール酸モフェチル(セルセプト)
ミコフェノール酸モフェチル(セルセプト)は、臓器移植後の拒絶反応を防ぐために使われる免疫抑制剤です。
この薬とアシクロビルを一緒に使うと、お互いの薬の濃度が高くなることがあります。これは、両方の薬が腎臓から排出される際に、お互いの排出を妨げ合うためです。
結果として、両方の薬の効果が強くなりすぎたり、副作用が出やすくなる可能性があります。
テオフィリン(テオドール)
テオフィリン(テオドール)は気管支喘息などの呼吸器疾患の治療に使われる薬です。
この薬とアシクロビルを一緒に使うと、テオフィリンの濃度が高くなりすぎて中毒症状が出ることがあります。
テオフィリンの中毒症状には、吐き気、頭痛、動機などがあります。
ゾビラックスはイギリスのグラクソ・スミスクラインが開発した抗ウイルス薬で、アシクロビルを有効成分として含んでいます。1988年にヘルペス感染症治療薬として発売されました。ヘルペスには、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、水痘・帯状疱疹ウイルスによる帯状疱疹の症状があります。有効成分のアシクロビルの働きによってヘルペスウイルスの増殖を抑制し、症状を緩和します。 1箱:2,090円~ |
アシクロビルの服用に注意が必要な人
アシクロビルの服用には、特定の状態や条件の人に注意が必要です。
合併症・既往歴等のある人
脱水症状のある患者や、意識障害(例:脳炎・脳症)のある患者、免疫機能が低下した患者は
アシクロビルの服用に特に注意が必要です。
これらの状態では、アシクロビルによる副作用のリスクが高まる可能性があります。
肝機能・腎機能に障害がある人
アシクロビルは主に腎臓から排泄されるため、腎機能障害のある患者では血中濃度が上昇しやすく、副作用のリスクが高まります。
また、肝機能障害のある患者でも注意が必要です。
医師の指示に従って用量調節が必要となる場合があります。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性
妊婦または妊娠している可能性のある女性へのアシクロビルの投与については、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与されます。
妊娠中の使用に関しては、医師と十分に相談することが重要です。
授乳中の女性
アシクロビルは母乳中に移行することが知られています。
授乳中の女性がアシクロビルを使用する場合は、授乳を中止するか、アシクロビルの使用を避けるかを決定する必要があります。
小児
小児へのアシクロビルの使用については、安全性が確立していない部分があります。
特に新生児や乳児への投与には十分な注意が必要です。
医師の指示に従って慎重に使用する必要があります。
高齢者
高齢者は腎機能が低下していることが多いため、アシクロビルの血中濃度が上昇しやすく、副作用のリスクが高まる可能性があります。
そのため、高齢者への投与には慎重な経過観察が必要で、必要に応じて減量などの調整を行います。
まとめ
アシクロビルは効果的な抗ウイルス薬ですが、併用する薬や患者の状態によっては注意が必要です。
特に腎機能障害のある患者や高齢者では、副作用のリスクが高まる可能性があるため、慎重に使用しなければなりません。
また、妊婦や授乳婦、小児への使用については、個別の状況に応じて医師に相談してください。
アシクロビルを安全に使用するためには、自身の健康状態や併用薬について把握する必要があります。
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