ゾビラックスの飲み方(服用方法)|効果を得やすい方法や飲み合わせに注意が必要な薬
ゾビラックスは、ヘルペスウイルス感染症の治療に用いられる医薬品です。有効成分アシクロビルがヘルペスウイルスの増殖を抑制し、症状を緩和します。この記事では、ゾビラックスの飲み方や注意すべき飲み合わせなどを解説します。
お薬通販部スタッフ【監修】

この記事では、ゾビラックスの飲み方(服用方法)について詳しく解説します。
ゾビラックスは抗ウイルス薬の一種で、有効成分のアシクロビルにはヘルペスウイルスの増殖を抑える働きがあります。
主に、単純疱疹(ヘルペス)や帯状疱疹の治療に使われる飲み薬として知られています。
ゾビラックスの効果を十分に得るためには、正しい服用方法を知っておくことが重要です。
この記事では、ゾビラックスの効果を得るためのポイントも解説します。
目次
ゾビラックスの飲み方(服用方法)

ゾビラックスの効果を最大限に得るためには、以下2点の飲み方を押さえておきましょう。
発症したらすぐに服用を開始する
ゾビラックスの有効成分であるアシクロビルには、ヘルペスウイルスの増殖を抑え、諸症状を緩和する働きがあります。
ゾビラックスを服用すると、2時間から3時間程度で効果が最大に達します。
そのため、ヘルペスウイルスに感染したら、すぐにゾビラックスの服用を開始するのが重要なポイントです。
ヘルペスウイルスに感染してから時間が経つにつれて、ウイルスが増殖して症状の悪化を引き起こしやすくなります。
ヘルペスと診断されたら、できるだけ早く服用するよう心がけてください。
1日に4回服用するケース
小児がヘルペスウイルス感染症を罹患した場合は、規定された量を1日に4回ゾビラックスを服用するのが基本です。
用量については以下の表を参考にしてください。
症例 | 1回あたりの用量(アシクロビルで換算) | 1回最大用量 |
単純疱疹 | 体重1kgにつき20mg | 200mg |
造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制 | 体重1kgにつき20mg | 200mg |
帯状疱疹 | 体重1kgにつき20mg | 800mg |
水痘(水ぼうそう) | 体重1kgにつき20mg | 800mg |
性器ヘルペスの再発抑制 | 体重1kgにつき20mg | 200mg |
1日に5回服用するケース
成人がヘルペスウイルス感染症を罹患した場合は、1日に5回ゾビラックスを服用するのが基本です。
用量については以下の表を参考にしてください。
症例 | 1回あたりの用量(アシクロビルで換算) |
単純疱疹 | 200mg |
造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制 | 200mg |
帯状疱疹 | 800mg |
ゾビラックスの服用間隔

ゾビラックスは、1日に4回または5回服用する必要があります。
服用する間隔は、以下を目安にしてください。
ゾビラックスの服用期間

ゾビラックスの服用期間は、治療の目的によって異なります。
効果・効能 | 服用期間 |
単純疱疹(性器ヘルペス、口唇ヘルペス) | 5日間(最大10日まで服用可能) |
造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制 | 施行7日前から施行後35日まで |
帯状疱疹 | 7日間 |
性器ヘルペスの再発抑制 | 1年間 |
必要な期間が短い症状であれば5日間の服用で問題ありませんが、1年間服用を継続しなければならない場合もあります。
次に疾患別の適切な服用方法を紹介します。
性器・口唇ヘルペス治療のための飲み方(服用方法)
性器ヘルペス、口唇ヘルペス治療のための飲み方は、成人と小児で異なります。
成人は、アシクロビルとして1回200mgを1日5回服用してください。
また、小児は体重1kgにつきアシクロビルとして1回20mgを1日4回服用する必要があります。
ただし、小児の1回あたりの用量は200mgまででなければなりません。
ヘルペス再発抑制のための飲み方(服用方法)
小児に限り、ヘルペス抑制のためにゾビラックスを服用できます。
飲み方は、体重1kgあたりアシクロビルとして1回20mgを1日4回服用するように決められています。
また、1回の最大用量は200mgです。
帯状疱疹・水ぼうそう治療のための飲み方(服用方法)
帯状疱疹や水ぼうそう治療を行う場合にも、適切な飲み方を意識することが重要です。
帯状疱疹の場合、成人はアシクロビルとして1回800mgを1日5回服用する必要があります。
また、小児は体重1kgあたりアシクロビルとして1回20mg(1回の最大用量は800mg)を1日4回服用しましょう。
水ぼうそうの小児は、体重1kgあたりアシクロビルとして1回20mg(1回の最大用量は800mg)を1日4回経口で服用します。
ゾビラックスと併用できる鎮痛剤

併用禁忌や併用注意のお薬に鎮痛剤は含まれていないため、ゾビラックスは基本的にどの鎮痛剤と併用しても問題ありません。
併用できる鎮痛剤の例として、以下の2つを紹介します。
NSAIDs(ロキソニン)
NSAIDsは非ステロイド性抗炎症薬のことで、医療機関でも良く使われるものにロキソニンがあります。
ロキソニンは、痛みの原因物質であるプロスタグランジンの生成を阻害する鎮痛剤で、15歳から服用できます。
他の鎮痛剤との併用は避けるのが望ましいとされているため、複数の鎮痛剤を併用しないようにしてください。
アセトアミノフェン(カロナール)
アセトアミノフェンは、カロナールという名前でも知られている鎮痛剤です。
NSAIDsとは異なり、アセトアミノフェンがどのように作用するのかは明確にわかっていません。
現時点では、プロスタグランジンの合成やカンナビノイド受容体などに影響をもたらすことで鎮痛効果を発揮すると考えられています。
カロナールも、ロキソニンと同様に小児から使用できます。
ゾビラックスの併用(飲み合わせ)注意薬

ゾビラックスと併用注意のお薬として、以下が挙げられます。
成分名 | 理由 |
プロベネシド | ゾビラックスの排泄が抑制され、血液中からお薬がなくなるまでの時間が延長し、副作用が起こりやすくなるおそれがある |
シメチジン | ゾビラックスの排泄が抑制され、平均血漿中濃度曲線下面積が増加し、副作用が起こりやすくなるおそれがある |
ミコフェノール酸モフェチル | ゾビラックスとミコフェノール酸モフェチルの代謝物の排泄が抑制され、平均血漿中濃度曲線下面積が増加し、副作用が起こりやすくなるおそれがある |
テオフィリン | テオフィリンの中毒症状があらわれることがある。 |
併用することは可能ですが、それぞれのお薬の効き目などに影響が出るおそれがあります。
該当するお薬を服用している人は、医師や薬剤師に相談しましょう。
ゾビラックスの併用に注意が必要な人

次に該当する人は、ゾビラックスの併用に注意が必要です。
ゾビラックスは、腎臓から排泄されるお薬です。
そのため、腎障害がある人が服用すると血中濃度が持続し、副作用が起こりやすくなるおそれがあります。
肝障害がある人が服用すると、症状が悪化するおそれがあるため、医師に相談してから服用してください。
また、高齢者は腎機能が低下していることが多く、副作用があらわれやすくなるおそれがあります。
小児にも基本的に使用できますが、低出生体重児や新生児に対する安全性は確立されていないので注意が必要です。
妊娠中の人は、ゾビラックスを使用するメリットがデメリットを上回る場合のみ使用してください。
ゾビラックスは母乳中に移行することがわかっているため、服用中は授乳を避ける必要があります。
ゾビラックスを服用する際の注意点

ゾビラックスを服用する際には、以下の3点に注意が必要です。
自分の判断で服用を中断しない
造血幹細胞移植後の単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症を抑制するためには、手術の7日前から手術後35日目までゾビラックスの服用を継続する必要があります。
手術後に単純ヘルペスウイルス感染症を発症しないためにも、自分の判断で術後の服用を中断しないでください。
口唇ヘルペスや帯状疱疹の症状が緩和したケースにおいても再発を防止するため、指示された期間はゾビラックスの服用を継続するのが原則です。
2回分をまとめて服用しない
ゾビラックスは症状に応じて1日に4回、もしくは5回服用するのが基本です。
次の服用までに時間がある場合、飲み忘れに気づいたらすぐに服用しましょう。
また、次の服用までに時間がない場合は飲み忘れた分を飛ばしても問題ありません。
ただし、1回飲み忘れたからといって、次のタイミングで2回分服用するのは避けてください。
用量を守る
ゾビラックスに限らず医薬品は用法用量を守って正しく服用するのが原則です。
抗菌薬などのお薬を適切に使用しなかった場合、効果が薄まったりなくなったりする場合があります。
効かなくなってしまうと、別のお薬に変更しなければなりません。
年齢や症状によって用量を増減されるケースもあるため、指示通りに正しく服用してください。
まとめ

ゾビラックスはヘルペスや帯状疱疹の治療に用いられる医薬品で、ヘルペスウイルスの増殖を抑える点が特徴です。
発症後速やかに服用するとウイルスの増殖を抑え、症状を軽微に留める効果が期待できます。
今回の記事を参考にゾビラックスを正しく服用し、口唇ヘルペスや帯状疱疹の早期改善にお役立てください。
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