ED治療薬とグレープフルーツは一緒に飲んじゃダメ?人に聞けない疑問を解決
ED治療薬についての疑問
かつてはバイアグラ一強だったED治療薬ですが、年月の経過とともに徐々に世界に浸透していき、現在日本国内ではレビトラ、シアリスを加えた3種が認可されています。
しかしED治療が一般的になってきたとはいえ、人前で話題にするのははばかられ、治療について公言することも滅多にないのが現状です。
それゆえに服用することで摂取できる薬や食品に制限ができるのか、妊娠した場合は子どもに影響が出るのかなど、気になる点も多々あるのではないでしょうか。
ここでは他人にはなかなか聞きづらいED治療薬にまつわる疑問を集め、薬がもたらす影響や日常生活を送る上での注意について考察していきます。
目次
ED治療薬は毎日飲んでも平気?
ED治療薬に依存症や習慣性、中毒などを起こす成分はありません。
ただしバイアグラやレビトラ、シアリスといった主要な治療薬については、服用は一日一回と定められており、さらに投与間隔を24時間以上空ける必要があります。
連続服用すると血中濃度が急激に高まり、血圧低下を引き起こす恐れがあるためです。
ただし、腎障害のある方がシアリスを10mg服用する場合に限っては、48時間以上の投与間隔を要します。
体内に入った薬は胃腸内で吸収されて血液中に溶け出します。
これを血中濃度といい低すぎると十分な効果が得られず、高すぎると副作用が起きることがあります。
製薬会社が成人男性に対して、一週間から二週間にわたり一日一回ED治療薬を投与する臨床試験をおこなっていますが、バイアグラならびにレビトラについては血中濃度に大きな変化は見られませんでした。
一方シアリスの反復投与では血中濃度が40%程度上昇することが報告されており、これに伴って副作用が生じる可能性もいくらか高まると考えられるものの、特筆すべき影響が出たという報告はありません。
したがっていずれの薬も毎日服用しても問題はありませんが、必ず前回の服用から24時間ないし48時間経過していることを確認するべきでしょう。
副作用をおさえるために頭痛薬を飲んでも大丈夫?
ED治療薬を服用すると、頭痛が生じることがあります。
これは薬剤の持つ血管拡張作用が脳の血管にも働くため、血管の拡張による炎症から頭痛が起こります。
ED治療薬の使用により頭痛が生じた場合は市販の頭痛薬を服用しても構いませんが、頭痛薬の種類によっては併用時に注意が必要です。
ロキソニンをはじめとしたロキソプロフェンを主成分とする頭痛薬は、即効性と高い鎮痛効果で人気があります。
しかし空腹時の頓服は胃腸障害を起こす可能性があるため、空腹状態での服用が推奨される治療薬との相性はあまり良いとはいえません。
そのため、この種の頭痛薬を使用する場合は胃薬との併用がおすすめです。
あるいは、効果は穏やかになりますがアセトアミノフェンを主成分とする頭痛薬であれば空腹状態を気にせずに服用することができます。
ED治療薬のなかでもバイアグラとは特に食事の影響を受けやすいため、空腹状態で服用しなければ正しい効果が得られません。
バイアグラ以外でも、レビトラやシアリスも空腹状態で服用するに越したことはありませんが、食事の影響を受けにくい薬ですので過剰な飲食量でなければ成分の吸収が著しく阻害される心配はないでしょう。
使用しているED治療薬の種類と頭痛の程度によって、頭痛薬を使い分けるのがおすすめです。
ED治療薬は飲む前に飲酒してもいい?
ED治療薬を服用中であっても、アルコールの摂取は禁止されていません。
アルコールにはリラックス効果があるため、少量ならばむしろ効果的ともいえます。
飲酒によって大脳のうちの食欲や性欲などの本能を司る部分が活性化し、爽快な気分になるためです。
しかし過剰な飲酒はEDを悪化させる要因にもなります。
これはアルコールが持つ中枢神経抑制作用のためであり、中枢神経が麻痺することで勃起しにくくなるのです。
またPDE5(ホスホジエステラーゼ5)阻害剤は血管を拡張させるため、大量に飲酒したあとにED治療薬を服用するとアルコールが一気に全身を巡り、酔いが回りやすくなってしまいます。
飲酒をしてもアルコールの血中濃度が低いうちは、饒舌になったり気分が明るくなったりと活発になります。
しかし血中濃度が高くなるにつれて運動機能障害が生じ、ひいては意識混濁や昏睡へと繋がります。
運動機能に支障が出る時点で中枢神経が麻痺し始めているので、勃起力は低下しています。
これではせっかくの治療薬も本来の効果を発揮できませんし、何より急性アルコール中毒を引き起こす恐れもあり大変危険です。
泥酔するほど飲んだりはせず、緊張をほぐしたりムードを作ったりする程度に留めておきましょう。
妊活にED治療薬は有効?胎児への影響は?
射精に導くためには勃起が不可欠のため、妊活中のカップルにもED治療薬は有効といえます。
ただし薬剤自体に性的興奮をもたらす効果はないため、服用だけで勃起することはありません。
これらの薬は外部からの性的刺激を受けた際に勃起を促す効能を持つものなので、性行為時にきちんと効果が発現するよう、時間を逆算して服用しておきましょう。
また不妊治療の第一段階では、タイミング法と呼ばれる手段での妊娠を試みます。
女性の生理周期は一定期間にわたって計測した基礎体温によっておおよその排卵日を割り出せますが、ここに医療機関での超音波検査等が加わることで、より正確な排卵日を把握することができます。
妊活にあたっては排卵日前後に性交渉を持つ必要があるため、男性にとっては毎月決められた期間に連日の性交渉を求められることがプレッシャーに感じられるかもしれません。
そういった点からも、勃起を助けて維持させることのできるED治療薬の服用はやはり効果的です。
なおED治療薬によって精子の形状や性質に変化が生じることはありませんので、治療薬を用いて妊娠した場合でも胎児への影響はありません。
子どもが欲しいけれど男性機能に自信がないという方は、ぜひ治療薬の使用を検討してみてください。
グレープフルーツの影響を具体的に知りたい
同時摂取によって悪影響が生じることを相互作用と言い、ED治療薬の中にも飲み合わせや食べ合わせに注意を要するものがあります。
グレープフルーツが種々の薬の効果を妨げることは知名度が高いでしょう。
グレープフルーツと相互作用を持つ薬として有名なのはカルシウム拮抗薬ですが、ED治療薬もまた例に漏れず影響を受けてしまう薬剤のひとつです。
人間の体内には、取り込まれた薬物を分解、排出する薬物代謝酵素という物質が複数種類存在します。
なかでも代表的なのがCYP3A4(シトクロムP450 3A4)といい、この酵素の働きを阻害して排出機能を低下させてしまいます。
グレープフルーツに含まれるフラノクマリンもまた阻害剤と同様に作用し悪影響をおよぼす可能性があります。
その結果、本来排出されるはずの薬剤が体内に留まることで血中濃度が上昇し、いわゆる「効きすぎ」の状態となります。
ED治療薬とは強い効果をもたらし勃起不全を根本から解決できる薬ですが、そのように聞くと有用な印象を受けるかもしれませんが、副作用のリスクも高まるため手放しによろこぶことはできません。
ED治療薬に限りませんが、薬剤を使用する際は適切な血中濃度を維持することが大切ですので作用を阻害することが明らかな食物の摂取は避けるべきといえます。
なお、フラノクマリンはザボン区とダイダイ区に分類される柑橘類にも含まれます。
特にレビトラの服用中はフラノクマリンの摂取が禁忌ですので、グレープフルーツに限らず上記に分類される果物には注意してください。
他人には聞けないED治療薬のこと
ED治療薬について実際の使用感や身体への影響など気になる点があっても、他人にはなかなか聞けないことが多いかもしれません。
デリケートな話題ゆえに、服用してみたいけれど相談しづらい、あるいは服用していることを他人に知られたくない、といった心理的な障害があるのは当然ともいえます。
しかし疑問や不安を抱えたまま服用するのは精神衛生上よいこととは言い難いですし、何よりも誤った方法で薬を使用してしまっては非常に危険です。
臆さずに医師や薬剤師に相談をし、信頼できる文献やウェブサイトを通じて情報収集をして、正しい知識を持ってEDの治療に当たりましょう。
参考文献
AII Abput 健康・医療
愛媛大学医学部附属病院薬剤部 薬品情報室
ED治療薬
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