なかなか寝付けない、夜中に何度も目が覚める…。

そんなつらい症状を改善するために使われる不眠症治療薬、ロゼレム。

ロゼレムは、睡眠ホルモンであるメラトニンに作用して自然な眠りを誘う薬ですが、他の薬やアルコールとの相互作用や、体質によっては注意が必要な場合があります。

ロゼレムと不眠症治療

現代社会では、多くの人が睡眠に問題を抱えています。仕事や人間関係のストレス、生活リズムの乱れなど、不眠の原因は様々です。 

そして、不眠が続くと、日中の眠気や集中力低下、倦怠感など、様々な不調を引き起こし、生活の質を低下させてしまいます。

ロゼレムは、そんな不眠症の治療薬として処方されることがあります。 

ロゼレムは、脳内のメラトニン受容体に作用することで、睡眠と覚醒のリズムを整え、自然な眠りを促します。 

従来の睡眠薬とは異なり、脳全体の働きを抑制するのではなく、メラトニンという睡眠ホルモンの働きを助けることで、より自然な入眠をサポートするのが特徴です。

ロゼレムの重要な注意事項

ロゼレムの服用に関して、以下の点に留意する必要があります。

本剤の影響が翌朝まで持続し、眠気や注意力・集中力の低下を引き起こす可能性があります。

そのため、自動車の運転や危険を伴う機械の操作は控えるようにしてください。

また、本剤の服用開始時には、生活習慣を改善するとともに、2週間程度経過を目安に有効性と安全性を評価してください。

効果が認められない場合は投与中止を検討し、漫然とした継続は避けるべきです。また、定期的な再評価を行い、投与継続の必要性を慎重に判断します。

本剤によりプロラクチン値の上昇が生じる可能性があります。

月経不順、乳汁分泌、性欲減退などの症状が現れた場合は、投与中止を含む適切な対応が必要です。

ロゼレムは武田薬品工業株式会社が製造・販売しているラメルテオン錠です。有効成分のラメルテオンには体内時計を調整して睡眠のリズムを作り、慢性的な不眠状態を改善する作用があります。精神疾患が原因の不眠に用いられる抗不安薬や向精神薬とは異なり、メラトニン受容体作動薬に分類される新しい治療薬で、睡眠リズムを取り戻すことがロゼレムの主な目的です。 1箱：41,110円

ロゼレムの併用注意

ロゼレムを適切かつ安全に使用するにあたり、特定の薬や成分との組み合わせには細心の注意が必要です。

以下に挙げる薬剤や物質と一緒に服用する際は、十分な配慮が求められます。ロゼレムは、主に肝臓で代謝されます。 

そのため、ロゼレムの代謝に関わる酵素の働きを阻害したり、逆に促進したりする薬と併用すると、ロゼレムの血中濃度が変化し、効果や副作用に影響が出る可能性があります。

CYP1A2阻害剤

CYP1A2阻害剤は、ロゼレムの代謝を遅らせるため、ロゼレムの血中濃度が上昇し、効果が強く出すぎたり、副作用のリスクが高まったりする可能性があります。 

例）キノロン系抗菌薬

CYP2C9阻害剤

CYP2C9阻害剤も、ロゼレムの代謝を阻害し、ロゼレムの血中濃度を上昇させる可能性があります。 

例）フルコナゾール（アゾール系抗真菌薬）

CYP3A4阻害剤

CYP3A4阻害剤も、ロゼレムの代謝を阻害し、ロゼレムの血中濃度を上昇させる可能性があります。

例）マクロライド系抗菌薬やケトコナゾール（アゾール系抗真菌薬）

CYP誘導剤

CYP誘導剤は、逆にロゼレムの代謝を促進するため、ロゼレムの血中濃度が低下し、効果が弱くなる可能性があります。 

例）リファンピシン（結核治療薬）

アルコール

ロゼレムとアルコールを同時に摂取すると、注意力や集中力、反射運動能力などの低下が増強される可能性があります。 

これは、アルコール自体にも中枢神経抑制作用があるため、ロゼレムの効果と相まって、より強い眠気やふらつきなどを引き起こすためです。

 安全のため、ロゼレム服用中はアルコールの摂取は控えましょう。

ロゼレムの服用に注意が必要な人

ロゼレムは、特定の人々にとっては、服用により副作用のリスクが高まったり、効果が予測できない場合があります。

まとめ

ロゼレムは、不眠症の改善に有効な薬ですが、他の薬やアルコールとの併用には注意が必要です。 

また、持病がある人や妊娠中の人、高齢の人などは、服用前に医師に相談し、指示に従って服用することが大切です。

副作用や注意事項をよく理解し、安全にロゼレムを活用しましょう。