臨床試験の結果から読み解くオルリスタットの有用性
オルリスタットは世界100ヶ国以上で用いられている代表的な肥満治療薬です。臨床試験の結果からオルリスタットの有用性について解説します。
ゼニカル 
ダイエット 
あ お薬通販部スタッフ【監修】
オルリスタットはヨーロッパやアメリカをはじめ、世界の多くで肥満治療薬として利用されています。
医療用医薬品としては国内で未承認ですが、要指導医薬品として日本でも用いられるようになりました。
今回はオルリスタットの有用性について、臨床試験の結果を参考に分かりやすく解説します。
オルリスタットについて
オルリスタットはスイスのロシュ社が開発した肥満治療薬で、消化酵素の一種であるリパーゼの働きを阻害する作用があります。
リパーゼには食事から摂取した脂肪を分解する作用があるため、オルリスタットを服用すると、脂肪の吸収を妨げる効果が期待できます。
医療用医薬品としては国内未承認のオルリスタットですが、美容クリニックなどではダイエット目的で利用しているところが少なくありません。
 オベリットはインタスファーマが販売する肥満治療薬です。ゼニカルと同じオルリファストを配合しています。 1箱：4,110円～ |
臨床試験の結果から見るオルリスタットの効果について
次に、オルリスタットの効果について、臨床試験の結果を元に解説します。
体重が5%以上減少した例
オルリスタットによる薬物療法と食事療法を併用した群と、食事療法のみ行ったプラセボ群との間で以下の差が見られました。
| 研究番号 | オルリファスト服用群 | 例数 | プラセボ群 | 例数 | p値 |
| 14119B | 35.5% | 110 | 21.3% | 108 | 0.021 |
| 14119C | 54.8% | 343 | 27.4% | 340 | ≺0.001 |
| 14149 | 50.6% | 241 | 26.3% | 236 | ≺0.001 |
| 14161 | 37.1% | 210 | 16.0% | 212 | ≺0.001 |
| 14185 | 42.6% | 657 | 22.4% | 223 | ≺0.001 |
上記の表から分かるように、オルリスタットの服用と食事療法を併用した群では、食事療法のみ行ったプラセボ群に比べ、5%以上の体重減が明らかに多く見られました。
体重が10%以上減少した例
オルリスタットによる薬物療法と食事療法を併用した群と、食事療法のみ行ったプラセボ群との間で以下の差が見られました。
| 研究番号 | オルリファスト服用群 | 例数 | プラセボ群 | 例数 | p値 |
| 14119B | 16.4% | 110 | 6.5% | 108 | 0.022 |
| 14119C | 24.8% | 343 | 8.2% | 340 | ≺0.001 |
| 14149 | 22.8% | 241 | 11.9% | 236 | 0.02 |
| 14161 | 19.5% | 210 | 3.8% | 212 | ≺0.001 |
| 14185 | 17.7% | 657 | 9.9% | 223 | 0.006 |
食事療法のみ行ったプラセボ群では、10Kg以上の体重減は平均でおよそ8%に留まりました。
一方、オルリスタットの服用と食事療法を併用した群では、平均でおよそ20%が10Kg以上の体重減に成功しました。
リスク因子の平均的変化
1年間の継続的な臨床試験において、オルリスタットによる薬物療法と食事療法を併用した群、および食事療法のみ行ったプラセボ群の間で、リスク因子に以下の変化が見られました。
| リスク因子 | オルリスタット服用群 | プラセボ群 |
| 総コレステロール | -0.2% | ＋5.0% |
| LDLコレステロール | -4.0% | +5.0% |
| HDLコレステロール | +9.3% | ＋12.8% |
| LDL/HDL | -0.37 | -0.20 |
| トリグリセリド | +1.34% | +2.9% |
| 空腹時血糖値（mmol/L） | -0.04 | ±0.0 |
| 空腹時インスリン（pmol/L） | -6.7 | +5.2 |
| 収縮期血圧（mmHg） | -1.01 | +0.58 |
| 拡張期血圧（mmHg） | -1.19 | +0.46 |
| ウエスト（cm） | -6.45 | -4.04 |
| ヒップ（cm） | -5.31 | -2.96 |
上記の表から分かるように、オルリスタットによる薬物療法と食事療法を併用した群では、食事療法のみ行ったプラセボ群に比べ、生活習慣病のリスク因子が明確に減少しています。
まとめ
オルリスタットは世界100ヶ国以上で用いられている肥満治療薬で、日本でも美容クリニックなどでダイエットをサポートする目的で用いられています。
オルリスタットを用いた臨床試験から、体重減少だけでなく生活習慣病のリスクを下げる効果も期待できると分かりました。
今回の記事を参考にオルリスタットを有効に活用し、ダイエットの成功にお役立てください。
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