ノルレボの危険な飲み合わせ(併用注意)は?服用時の注意点も解説
「ノルレボと併用してはいけないお薬や飲み物・食べ物はあるの?」と疑問を抱いている人に向けて、この記事では、ノルレボと併用注意のお薬や食べ合わせ・飲み合わせなどについて詳しく解説します。ノルレボの購入を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
記事公開日:2024.03.11
最終更新日:2025.06.24
お薬通販部スタッフ[監修]

この記事では、ノルレボの危険な飲み合わせ(併用注意)について解説します。
ノルレボは緊急避妊の効果が期待できる緊急避妊薬ですが、併用するお薬や食べ物・飲み物によっては効果が弱まったり、副作用のリスクが高まったりする場合があります。
特に、一部の抗けいれん薬や抗生物質、ハーブ成分、アルコールなどには注意が必要です。
この記事では、ノルレボと併用を避けるべきお薬や食べ物・飲み物について詳しく解説します。
ノルレボを安全に服用したい人は、ぜひ最後までお読みください。
目次
ノルレボの危険な飲み合わせ(併用注意)とは?

ノルレボの併用注意とは、禁止されていないものの、併用することでお薬の効果や副作用に影響を及ぼす可能性があるものを指します。
ノルレボを服用する際は、一部のお薬や食品との併用に注意しなければなりません。
特に、体内の薬物代謝に関わる酵素を誘導・阻害する成分と同時に摂取すると、ノルレボの血中濃度が変化し、避妊効果が十分に得られない可能性があります。
ハーブや特定の飲み物でも作用に影響を与える可能性があるため、自己判断での併用は避けるべきです。ここでは、併用注意の具体例とその理由を詳しく解説します。
併用禁忌との違い
併用禁忌は、一緒に服用してはいけないお薬のことで、重大な健康被害や命に関わる副作用が発生する可能性があります。
前述のとおり、併用注意は併用することでお薬の効果が弱まったり、副作用が起こりやすくなったりするもののことです。
ノルレボの場合、併用禁忌に該当するお薬などは報告されておらず、併用注意に該当するものがいくつか存在します。
個人の体質や健康状態などによってリスクの程度が異なるため、ノルレボと併用するものがある場合は、なるべく医師や薬剤師に相談することが重要です。
ノルレボと併用注意のお薬一覧

ここでは、ノルレボと併用に注意すべき以下のお薬について解説します。
抗けいれん薬
ノルレボは、以下のような抗けいれん薬が併用注意となっています。
これらのお薬と併用すると、ノルレボの効果が減弱するおそれがあります。
併用すると、ノルレボの代謝酵素(CYP3A4)が誘導され、代謝が促進されることで効果が弱まることがあるでしょう。
結果として、避妊効果が低下するリスクがあるため、該当するお薬を常用している人は、事前に医師へ抗けいれん薬を服用していることを伝えてください。
HIVプロテアーゼ阻害剤
HIVプロテアーゼ阻害剤とは、HIV感染症の治療に用いられるお薬のことです。
代表的なものに、リトナビルがあります。こちらも、ノルレボとの併用には注意が必要です。
HIVプロテアーゼ阻害剤は、ノルレボの代謝酵素を誘導し、ノルレボの薬効を低下させる可能性があります。
避妊効果が不安定になるおそれがあるため、HIVの治療でリトナビルなどを服用している人は、念のためノルレボ以外の緊急避妊の方法も検討した方が良いでしょう。
非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤
エファビレンツなどの非ヌクレオシド系逆転写阻害剤も、併用注意のお薬に該当します。
ノルレボと併用すると、代謝酵素であるCYP3A4が誘導されて代謝が促進し、効果が減弱するおそれがあります。
したがって、併用することで避妊効果が期待どおりに得られない場合があるでしょう。
併用が禁止されているわけではありませんが、万が一のことを考え、ノルレボ以外の緊急避妊法を行うことを検討した方が良いケースもあります。
抗生物質
一部の抗生物質も、ノルレボとの併用には注意しなければなりません。
特に、リファンピシンやリファブチンなどの抗生物質は、酵素誘導作用が強く、ノルレボの血中濃度を低下させる可能性があることで知られています。
その結果、望まれる避妊効果が得られない可能性もあるので注意が必要です。
ただし、リファンピシンやリファブチン以外の抗生物質であれば、特に飲み合わせについて気にする必要はありません。
いずれにせよ、抗生物質を服用している場合は、自己判断で併用せずに医師の指示を仰ぐことが大切です。
ノルレボと飲み合わせ(併用)に注意すべき食べ物・飲み物

ノルレボを服用する際は、お薬だけでなく、以下のような特定の食べ物や飲み物との組み合わせにも注意する必要があります。
一部の食品は、体内の薬物代謝に影響を与え、ノルレボの有効成分であるレボノルゲストレルの効果を弱めたり、逆に副作用を引き起こしたりするおそれがあります。
セイヨウオトギリソウを含むもの
セイヨウオトギリソウはお薬ではありませんが、ノルレボの代謝に影響を及ぼす可能性があります。
併用すると代謝酵素が誘導されて血中濃度が低下し、ノルレボの効果が減弱することがあるため、ノルレボを服用するときはセイヨウオトギリソウを含むものは摂取しないようにしてください。
セントジョーンズワートは、主に健康食品やサプリメントとして流通しているものです。これまでに相互作用による健康被害は報告されていませんが、避妊効果を十分に得るためにも併用は避けましょう。
グレープフルーツジュース
グレープフルーツジュースには、CYP3A4と呼ばれる薬物代謝酵素を阻害する働きがあります。
これは、グレープフルーツジュースに含まれているフラノクマリン類が原因です。
代謝が阻害されることにより、血中濃度が通常よりも高くなる可能性があるでしょう。
一見すると、効果が強まるのでメリットのように感じるかもしれませんが、血中濃度が急激に上昇すると、副作用のリスクが増すおそれがあります。
グレープフルーツジュース以外に夏ミカンやダイダイ、スウィーティー、ハッサクなどもCYP3A4を阻害する働きがあるため、ノルレボの服用前後は摂取しないようにしてください。
お酒(アルコール)の過剰摂取
アルコール自体がノルレボの効果を直接弱めるわけではありませんが、過剰な飲酒は避けた方が良いでしょう。
大量のアルコールを摂取すると嘔吐する場合があり、タイミングによってはノルレボの服用後すぐに有効成分が体外へ排出されてしまうことがあります。
また、ノルレボ服用後2時間以内に嘔吐した場合は避妊効果が得られないことがあり、追加で1錠を服用しなければなりません。
ノルレボとアルコールを一緒に飲むと、肝臓に大きな負担がかかる可能性もあります。
カフェインの過剰摂取
コーヒーやエナジードリンク、緑茶などカフェインを多く含む飲み物を過剰に摂取するのもなるべく避けた方が良いでしょう。
カフェイン自体がノルレボの効果に直接影響することはありませんが、過剰に摂取すると胃腸への刺激が強くなり、吐き気や胃のむかつき、嘔吐を引き起こす可能性があります。
ノルレボは服用後の吸収が非常に重要で、2時間以内に嘔吐した場合は再服用が必要です。
そのため、カフェインの摂取量をなるべく抑え、体調を安定させたうえでノルレボを服用することを推奨します。
炭酸飲料
炭酸飲料がノルレボと化学的に反応することはありませんが、胃の刺激や空腹時に飲むことによる胃の膨張などが原因で、胃の不調をきたすケースがあります。
胃の状態が安定していない状態で、ノルレボを服用するのは好ましくありません。
炭酸飲料がノルレボの吸収や代謝に影響するとのデータはありませんが、お薬は水やぬるま湯で飲むことが基本です。
炭酸飲料で飲むことでメリットを得られるわけではないので、なるべく避けるべきです。
ノルレボを飲めない人はいる?

以下に該当する人は、ノルレボの服用が禁止されています。
ノルレボの成分で過敏症を起こしたことがある人が服用すると、再び過敏症を発症するおそれがあります。
重篤なアレルギー症状を起こすこともあるので、絶対に服用しないでください。
また、重篤な肝障害がある人もノルレボを服用できません。
お薬を代謝する働きが低下しており、肝臓への負担が増加して症状が悪化することがあります。
その他、妊娠している場合も服用しないでください。
流産や胎児の奇形の発生割合を増加させることはありませんが、妊娠がすでに成立している人への有効性は期待できません。
ノルレボの飲み合わせ(併用注意)以外の注意点

ノルレボの服用にあたっては、飲み合わせ以外にも以下の点に注意が必要です。
緊急避妊薬であるノルレボには、適切なタイミングでの服用や服用後の体調管理など、押さえておきたいポイントが多くあるので、順番に確認しておきましょう。
「妊娠阻止率=100%」ではない
ノルレボの妊娠阻止率は100%ではありません。
ノルレボは、性行為後72時間以内に服用することで、排卵の抑制や受精の阻止を目指すお薬です。
しかし、72時間以内に服用したからといって、必ず妊娠を防げるものではありません。
国内の臨床試験のデータでは、性行為後72時間以内にレボノルゲストレル1.5mgを服用した63例のうち1例で妊娠が確認されました。
この試験での妊娠阻止率は81.0%です。
なるべく性行為後72時間以内に服用する
ノルレボは、性行為後72時間以内に服用することで、避妊効果をより発揮します。
服用が早ければ早いほど、排卵の抑制や受精の阻止が効果的に行われる可能性が高まるといえます。
逆に、ノルレボの服用が遅れるほど妊娠を妨げる確率が低下するので注意が必要です。
海外の文献では、妊娠の可能性がある性行為を行ってから24時間以内に服用した場合の妊娠阻止率は95%、25~48時間以内は85%、49~72時間以内は58%と報告されています。
服用後2時間以内に嘔吐した場合は追加で1錠飲む
ノルレボを服用した後、2時間以内に嘔吐した場合、お薬が十分に吸収されていない可能性があり、避妊効果が期待できなくなるおそれがあります。
その場合、すみやかにノルレボを追加でもう1錠服用しなければなりません。
また、下痢が起こった場合もお薬の吸収に影響が出る可能性があります。
嘔吐や下痢をした場合は、その後の対応を指示してもらうためにも、医師や薬剤師に相談してください。
ノルレボを処方してもらうときに嘔吐や下痢をしたときの対処法を説明された場合は、指示に従うことを推奨します。
ノルレボの飲み合わせ(併用注意)に関するよくある質問

最後に、ノルレボの飲み合わせ(併用注意)に関するよくある質問を紹介します。
ノルレボとロキソニンなどの解熱鎮痛薬と併用しても問題ない?
ロキソニンをはじめとする解熱鎮痛薬とノルレボは、併用しても基本的に問題ありません。
これらの解熱鎮痛薬は、ノルレボの主成分であるレボノルゲストレルの代謝や作用に影響を及ぼすとの報告もされていないため、併用しても問題ないと考えられます。
ただし、解熱鎮痛薬で胃腸に負担がかかりやすい人は注意が必要です。
特に、非ステロイド性抗炎症薬 (NSAID)に分類される解熱鎮痛薬は、長期的に服用すると腎機能や消化管、心血管系などに重大なリスクを及ぼすおそれがあります。
胃のムカムカにより嘔吐してしまった場合は、ノルレボの効果が減弱してしまう可能性があります。
アセトアミノフェンは比較的胃に優しい解熱鎮痛薬のため、胃の負担が気になる人は選ぶと良いでしょう。
ノルレボと低用量ピルを併用しても問題ない?
低用量ピルの併用禁忌や併用注意のお薬にノルレボは含まれていないため、併用しても基本的に問題ありません。
ノルレボは緊急避妊薬であり、一時的に排卵を抑制する目的で使用されます。
一方、低用量ピルは継続的な服用によって排卵を抑え、妊娠を予防するためのものです。
役割が異なるため、ノルレボを服用したからといって低用量ピルの服用を中止する必要はありません。
ノルレボ服用時も服用後も、普段どおり低用量ピルの服用を続けてください。
ノルレボと併用注意のお薬などを飲んでしまったらどうする?
ノルレボと併用注意のお薬を一緒に飲んでしまった場合は、まず落ち着いて対処することが大切です。
併用禁忌薬と異なり、絶対に飲んではいけないわけではないため、過度に心配する必要はないといえるでしょう。
ただし、併用によってノルレボの血中濃度が下がる可能性があり、避妊効果が低下するおそれがあります。
基本的に追加での服用は不要であり、自己判断で追加服用するのは避けてください。
不安な場合は、医師や薬剤師に相談することを推奨します。
まとめ

ノルレボの服用にあたっては、併用注意のお薬や食べ物・飲み物が存在します。
特に抗けいれん薬やHIV治療薬、抗生物質などはノルレボの効果を弱める可能性があるため、可能であれば併用しないようにしてください。
また、セイヨウオトギリソウやグレープフルーツジュースなどもノルレボの代謝に影響を及ぼすおそれがあります。
ノルレボは、100%の避妊効果を保証するものではありません。
効果を十分に発揮するためにも、性行為後72時間以内にすみやかに服用することが大切です。
性行為後に時間が経つほど妊娠阻止率が低下するため、できるだけ早く服用しましょう。
飲み合わせについて不安や疑問がある人は、医師や薬剤師に相談してから服用すると安心感を得られるでしょう。
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