臨床試験結果から見るクロトリマゾールの効能・効果

さまざまな皮膚真菌症の治療に広く使用されている抗真菌薬、クロトリマゾール。本記事では、クロトリマゾールの臨床試験における効果と安全性について詳しく解説し、有用性を探ります。

記事公開日：2025.01.15

最終更新日：2025.01.15

お薬通販部スタッフ[監修]

皮膚真菌症は、皮膚にカビの一種である真菌が感染することで発症する疾患です。

クロトリマゾールは、こうした感染症に対する効果的な治療薬として、多くの人々に知られています。

本記事では、臨床試験の結果をもとに、その具体的な効果と安全性について詳しく検証します。

クロトリマゾールの効果

クロトリマゾールは、幅広い真菌に対して効果を発揮する抗真菌薬です。

クロトリマゾールは真菌の細胞膜を破壊してその増殖を抑え、感染を効果的に軽減します。

特にカンジダ症や白癬（はくせん）、癜風（でんぷう）に対して優れた効果を発揮します。

カンジダ症はカンジダ属の真菌による感染症で、湿った皮膚部分に発生しやすく、かゆみや熱感を伴う赤みが特徴です。

これらの不快な症状は日常生活に影響を及ぼすことがありますが、クロトリマゾールはそれらの症状を効果的に軽減します。

また、白癬（はくせん）にも有効で、この感染は体の様々な部位に影響を及ぼし、足では水虫、股部ではいんきんたむし、体ではぜにたむしと呼ばれます。

白癬は鱗屑状の皮膚や強いかゆみ、赤みを引き起こしますが、クロトリマゾールが白癬菌の成長を抑え、症状を和らげます。

さらに、癜風（でんぷう）にも効果的です。

この症状はマラセチア属の真菌が原因で、皮脂腺が多い部位に発生し、薄茶色や白色の斑点が現れます。

夏場には悪化する傾向があり、見た目の変化による心理的ストレスを伴うことがありますが、クロトリマゾールはこれらの真菌を効率よく抑制します。

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クロトリマゾールの臨床試験は、その安全性と効果を科学的に立証しています。

以下に、特定の皮膚真菌症に対する有効性を示した研究結果を紹介します。

243人の妊婦を対象にした調査で、56%が妊娠中に膣カンジダ感染が見つかりました。

感染者には6日間クロトリマゾールによる治療が行われ、成功率は妊娠初期で84%、中期で87%、後期で78%でした。

母体のカンジダ感染は流産や新生児の健康問題と関連しないことが確認されました。早期治療により新生児の真菌感染リスクを減少させる可能性があります。

200件の出産中、産後に真菌感染が見られたのは3件で、全て帝王切開でした。

これにより、適切な治療が妊娠中の感染管理に有効であることが示されました。

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股部白癬（いんきんたむし）の治療に1%クロトリマゾールクリームがどれほど効果的で安全かを調べた研究です。

86人の患者が対象で、半分の43人は1%クロトリマゾールクリームを4週間使用し、もう半分は1%ブテナフィンクリームを2週間使用しました。

4週間後の結果では、両グループともに赤み、鱗屑、かゆみの改善が見られ、クロトリマゾールとブテナフィンの間に有意な違いはありませんでした。

また、どちらのクリームでも副作用は報告されず、結果、両方のクリームは効果的で安全であり、特に優劣は見られませんでした。

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さまざまな皮膚真菌症に対して実施された合計865例の二重盲検比較試験により、クロトリマゾールが多くの真菌種に対して有効であることが確認されています。