臨床試験の結果から読み解くトピロールの有用性について
トピロールはてんかんの部分発作に対して有効な治療薬です。臨床試験の結果に基づいてトピロールの有用性について解説します。
お薬通販部スタッフ[監修]

トピロールは第二世代抗てんかん薬の一種で、有効成分のトピラマートはてんかんの部分発作を抑制するのに効果的です。
てんかんにはいくつかの発作型がありますが、およそ60〜80%は適切な抗てんかん薬の服用で長期的に消失できると分かっています。
本記事ではトピロールの有用性について、先発医薬品「トピナ」の臨床試験結果を基に解説します。
目次
トピロールについて

トピロールはインドを代表する製薬会社の1つである「サンファーマ」が製造・販売している、てんかんの部分発作の治療薬です。
トピロールは2007年の9月に販売された「トピナ」のジェネリック医薬品で、その他の抗てんかん薬では十分な改善が期待できない際に用いられます。
トピラマートには脳の神経細胞の異常な興奮を鎮め、てんかんの部分発作および二次性全般化発作を抑える効果が期待できます。
臨床試験の結果から読み解くトピロールの有用性

トピロールは2007年の9月に販売された抗てんかん薬「トピナ」のジェネリック医薬品です。そこで、先発医薬品トピナの添付文書を参考に、トピロールの有用性について解説します。
国内第3相試験の結果
既存の抗てんかん薬では十分な効果が得られない部分てんかん患者127例を対象に行われた二重盲検比較試験において、発作発現頻度に以下の違いが見られました。
プラセボ群 | トピラマート投与群 | |
発作発現頻度減少率(中央値) | 13.7% | 33.4% |
上記の表からも明らかなように、トピラマート投与群ではプラセボ群に比較して、てんかん発作の発現率が有意に減少しました。
国内第2相試験の結果
既存の抗てんかん薬では十分な効果が得られない部分てんかん患者を対象に行われた3つの非盲検試験において、中等度以上の改善割合に以下の違いが見られました。
試験 | 用量(mg/日) | 投与例数 | 改善割合 |
前期第2相試験 | 100~400 | 39 | 41.2%(34例中14例) |
前期第2相試験その2 | 200~600 | 18 | 50.0%(12例中6例) |
後期第2相試験 | 100~600 | 122 | 41.1%(95例中39例) |
いずれの試験においてもトピラマートを服用した4割以上に、部分てんかん発作の中等度以上の改善が見られました。
発作型別レスポンダー率
国内第2相試験・第3相試験の成績から、部分発作を有するてんかん患者の発作型別レスポンダー率が以下の通りと判明しました。
発作型 | レスポンダー率 |
単純部分発作 | 33.8%(80例中27例) |
複雑部分発作 | 32.0%(181例中58例) |
二次性全般化強直間代発作 | 27.8%(36例中10例) |
(※レスポンダー率…発作発現頻度が50%以上減少した症例の割合)
トピラマートを服用したおよそ3割に、発作発現頻度の50%以上の減少が確認されています。
長期投与試験の結果
国内第2相長期投与試験において、トピラマートを5年にわたり服用した方の84.2%(19例中16例)に、中等度改善以上の改善が見られました。
小児を対象とした試験の結果
既存の抗てんかん薬では十分な効果が得られない小児てんかん患者(2〜15歳・59例)を対象に行われた非盲検試験において、部分発作発現頻度の有意な減少が認められました。
まとめ

臨床試験の結果からトピロールはてんかんの部分発作に対して高い効果を発揮することが分かりました。発作型にもよりますが、てんかんの60〜80%は適切な抗てんかん薬の服用で長期的に消失できると分かっています。
今回の記事を参考にトピロールの効果について理解し、用法用量を守って正しく服用してください。
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お薬通販部スタッフ