タダラフィルとは~ED治療薬シアリスの有効成分や効果・副作用など~

タダラフィルとは
タダラフィルとは、世界でも人気が高いED治療薬に配合されている有効成分です。シアリスと呼ばれるED治療薬の主成分であり、シアリスは先に作られていたバイアグラ、レビトラに続く第3のED治療薬として開発されました。
その効果は高く、先に販売されていたバイアグラやレビトラに比べ、より長く効果が持続することにスポットが当てられています。
1錠服用することで最大36時間もの効果を発揮するため、海外では高い人気があります。
シアリスは日本でも販売されており、病院やクリニックでも入手可能なED治療薬です。
ここでは、タダラフィルを使用したED治療薬をより安全に入手、使用するために詳しく解説をしていきます。
目次
タダラフィルの歴史

タダラフィルは、バイアグラ、レビトラに続く第3のED治療薬として開発されました。
その歴史は2003年からと薬としては新しく、日本でも2007年から日本イーライリリー社から販売されました。
タダラフィルは成分名であり、世界では『シアリス』の商品名が広く知られています。
ED治療薬の他にも、肺高血圧症や排尿障害の治療薬としても承認されています。
ED治療薬としてのシアリスはすでに開発されていたバイアグラやレビトラと違うコンセプトで開発されました。そのコンセプトが効果の持続時間です。
バイアグラやレビトラの持続時間はおよそ5~6時間とされていましたが、シアリスは最大36時間と何倍もの持続時間を発揮することができます。
効果を発揮したい日の朝に服用すれば、1日は効果が続くため、バイアグラやレビトラを愛用していた方の多くが乗り換えたとの話もあります。
日本ではシアリスの特許が切れていないため、ジェネリック医薬品の流通はありません。
そのためクリニックでの処方は基本的にシアリスのみですが、その人気の高さから特許が切れた後に多くのジェネリック医薬品が発売されることも予想されています。
タダラフィルの開発と販売

タダラフィルは、体内で分解されにくく、より血中にその成分が残る性質があります。
もともとあったバイアグラやレビトラは体から排出される時間が短く、作用時間があまり伸びませんでした。
タダラフィルの特徴を生かし、開発されたのがシアリスになります。
シアリスは第3のED治療薬と呼ばれているように、バイアグラやレビトラに続いて開発されました。
ED治療薬はそれまでバイアグラがシェア一位となっておりましたが、シアリスが販売され、そしてその効果の高さが広まっていくにつれ、今では世界シェアNo1のED治療薬となりました。
日本でもその効果は徐々に広まっており、販売されたのは2007年ですが、今ではバイアグラよりも人気がある薬といえるでしょう。
日本ではまだジェネリック医薬品が販売されていない状態での人気なので、タダラフィルを含んだシアリスの特許が切れ、多くのジェネリック医薬品が出回れば、タダラフィルのシェアはさらに上昇することが考えられております。
ED治療薬はジェネリック医薬品を含むさまざまな種類が販売されておりますが、タダラフィルの持続時間やその特徴を超えるものはなく、需要あるED治療薬として成長しています。
イーライリリーの研究成果
タダラフィルを主成分とするシアリスは、2003年に米イーライリリー社が製造を始めました。その製造コンセプトは今まで販売されているED治療薬とは全く違う方針で研究が行われました。
当時のアメリカで多く使用されていたED治療薬は、世界で初めて開発されたED治療薬バイアグラでした。
バイアグラは服用後30分から1時間の間で作用し、約5時間の作用時間がありました。副作用もありましたが、EDに効く初めての薬ということもあり、人気が高い薬でした。
新しくED治療薬を製薬するにあたり、イーライリリー社はバイアグラの作用時間に着目しました。
作用時間が『時間内に行為を行い、勃起しなければいけない』というプレッシャーにもなるのでもっと作用時間を延ばせないか考えたのです。
またバイアグラは食事のタイミングにより効果に幅が出るのもデメリットでした。
シアリスはこのような問題点を克服し、より時間や食事に影響を受けにくく、自由度の高いED治療薬として開発されました。
実際にシアリスを販売した後、最大36時間という作用時間が高く評価され、バイアグラやレビトラを愛用していた方にも広く使用されています。
日本新薬との連携
タダラフィルを含むシアリスは、日本イーライリリー社から販売されていましたが、2009年に日本新薬が単独販売することになりました。
この契約により、シアリスがより日本で広まるきっかけとなったといえるでしょう。
日本新薬は日本イーライリリー社と比べ、日本での認知度はあまり高くありませんでした。
もともとは米国で開発された薬のため、海外製品をなんとなく不安な目で見てしまう日本人は少なくありません。
しかしすでに泌尿器科の薬を多く開発している日本新薬は、日本でも一定の認知度があり、薬も多くの使用があったので、日本新薬が単独販売することにより、シアリスを多くの方に広めようと考えました。
日本新薬としても、当時泌尿器領域の新薬候補がなかったようなので、契約自体は問題なくスムーズに進んでいます。
シアリスは、世界的に広く使用されているED治療薬ですが、その認知度がなければ日本人にはなかなか使いづらいものです。
契約提携時、売上高約20億だったシアリスが、10年程度で約38億とおよそ2倍に引き上げたのは、やはり日本新薬のマーケティング力の賜物であり、これからもますますシアリスの使用は加速していくものとみられます。
- 参考文献
日本新薬とイーライリリーとのライセンス契約締結について詳しくはこちら
勃起不全治療剤「シアリスR」、ならびにタダラフィルの開発中の適応症に関するイーライリリーとのライセンス契約締結について
タダラフィルの作用機序

タダラフィルの作用機序を紹介するには、まず陰茎がどのように勃起をするのかを知っていなければなりません。
勃起という生理現象は、性的な刺激を受けることにより脳が命令を出し、陰茎内の神経から一酸化炭素を放出、そしてcGMP(環状グアノシン―リン酸)が増加します。
このcGMPは陰茎にある海綿体の緊張を緩め、海綿体に多くの血液を流し込めるようにします。
そして十分に血液を流しこんだ結果、陰茎は固くなり勃起という現象につながります。
その後、興奮が収まる際にはcGMPを分解するためにPDE5(ホスホジエステラーゼ5)の活動が活発になり、血管が収縮し平常時の陰茎へと戻ります。
このように勃起の作用にはcGMPとPDE5が重要な役割を持っています。
タダラフィルの作用は勃起の状態を維持するために、PDE5の働きを阻害し、さらに海綿体に多くの血液を流すことで一時的な勃起力を上げることです。
勃起自体を促進するのではなく、勃起を鎮めることを防止する面からアプローチを行うことが特徴です。
よって、タダラフィルを服用することでただちに勃起を引き起こすのではありません。
しっかりした性的興奮が必要になるので、適切な服用タイミングを見極め使用しましょう。
PDE5を阻害する
タダラフィルはPDE5(ホスホジエステラーゼ5)を阻害する効果を持っているため、大枠としてPDE阻害薬と呼ばれます。
これは先に開発されたバイアグラやレビトラも同じ枠に属しており、そのどれもが基本的にPDE5を阻害する効果で勃起を手助けしています。
PDE5を阻害しEDを治療する方法は、まだ新しい手法です。
以前ではEDに困って病院で診察してもその対応は漢方薬の効果を頼るか、陰茎に注射を打ち勃起を活性化させるなど、不確定要素が強い治療法しかありませんでした。
この状況に新しい風として生まれたのがPDE5阻害薬です。
勃起を起こす薬ではなく勃起を維持することがコンセプトであり、飲んだからといって強制的に勃起するものではありません。
薬が効いている間ずっと興奮し続けてしまうのならば、使用者の身体の負担にもなってしまうでしょう。しかしPDE阻害薬はその心配もなく、ED治療をしている方の救世主にもなりました。
タダラフィルを含むシアリスは日本で3番目にできた薬で、まだPDE5阻害薬としても新しい薬です。
先に開発されたバイアグラやレビトラの問題点をしっかり洗い出して開発されているので、安心して使える最先端のPDE5治療薬ともいえるでしょう。
心血管系への作用
タダラフィルの効果は、PDE5を阻害する効果だけではありません。
タダラフィルの人気は阻害薬の効果と、血管を拡張し陰茎のサイズをアップする二つの効果が中心となっています。
陰茎のサイズをアップする効果は、陰茎に張り巡らされた毛細血管を拡張することでより陰茎に血液が流れやすいようにすることで引き起こしています。
しかし血管を拡張する、という効果は陰茎だけで起こっているわけではありません。
タダラフィルの副作用の一つに頭痛があります。
ED治療薬の副作用には頭痛はつきものですが、その理由は血管を拡張していることで、心臓から一番高い位置にある脳まで血液が運ばれにくくなってしまうためです。
血管が広がっても血液の総量が増えるわけではありません。
よって血液が不足して頭痛が起こるということは、しっかりとタダラフィルの効果が現れているということにもなります。
この心血管系への作用はED治療薬全般に言えることですが、他の薬を使用している場合、その効果が重なり副作用を強く起こしてしまうこともあります。
心血管系の疾患を持っている場合は血管や心臓に対しての薬を服用している場合も多いです。
そのような時はタダラフィルを使用するのは少し注意が必要になります。
- 参考文献
タダラフィルの作用機序について詳しくはこちら
Pub Chem:タダラフィル
タダラフィルの効果効能

タダラフィルは、先に開発されているバイアグラやレビトラの欠点に対し、それをカバーできるように開発されたものなので、その効果効能には違いがあります。
一番大きな違いは作用時間です。
バイアグラやレビトラに比べ何倍もの作用時間があるので、必要な時を想定し気軽に服用することが可能になります。
また食事による影響を受けにくいのも大きな特徴です。
バイアグラやレビトラは食事によってその効果が落ちてしまうことがありましたが、タダラフィルに関してはその可能性は低いとされています。
ED治療薬といっても、バイアグラやレビトラと効果効能に違いがあるのがタダラフィルです。
バイアグラやレビトラと同じような感覚で服用してしまうと、想定していた時間に効果が現れず、まだ効果が続いているのに次のタダラフィルを服用してしまい、過剰に投与してしまうことも考えられます。
タダラフィルの効果効能をしっかりと理解し、どのような時に服用すべきなのかを知ることは、タダラフィルを服用するための第一歩となります。
それでは、タダラフィルの効果、効能、そして効果作用の時間を具体的に紹介していきます。
効能
タダラフィルの効能はPDE5を阻害することによる勃起の維持、勃起不全の改善が期待されます。
タダラフィルは、服用後すぐに勃起を誘発させるものでもありません。
しっかりと性的興奮により勃起をし、その勃起を血管拡張作用より多くの血液でサポートし、普段より硬くたくましい陰茎が期待できます。
EDに困っている方は中折れ対策として使用する方が多いため、その勃起時間を維持するためにPDE5を阻害。cGMPと呼ばれる勃起を引き起こす成分をできるだけ破壊されないようにし、勃起時間を持続させます。
タダラフィルの効能はED治療だけで使用されているのではなく、筋肉を緩める効果もあるため前立腺肥大症の薬としても使用されております。
ED治療や前立腺肥大症では服用する量や服用タイミングが若干異なることもありますので、処方された際に明記された服用方法を行わないと効能を受けることが出来ない場合があります。
大枠の効能としてはバイアグラとレビトラとあまり変わらない部分もありますが、効果時間と食事の影響を受けづらく、現在日本で承認し販売されている薬の中でも人気が高い薬となります。
効果
タダラフィルの効果は、先に販売されているバイアグラやレビトラの問題点をカバーした、高い持続時間となります。その作用時間は最大36時間で、一回服用することで1日以上持続できることが魅力です。
シアリスはバイアグラなどと比べ効果を受けるまでの時間が長く、服用後1時間から3時間程度待つ必要があります。
血中濃度のピークも個人差が大きいので、自分がどのくらいの時間で効果を最大限受けることができるのか、事前に確認しておくことが必要になります。
長時間の作用と、食事による影響をほとんど受けないため、ライフスタイルを邪魔しないシアリスは人気が高い商品です。
タダラフィルの効果は勃起自体を誘発させる効果ではなく、性的な興奮や陰茎の刺激がなければ勃起はしません。
副作用として顔のほてりや頭痛、目の充血などがよく見られます。
それらは血管の拡張作用によって起きるものであり、軽度な頭痛であるためあまり気にしなくても問題はありません。
どうしても副作用が気になる場合は市販されている頭痛薬などで対策することができます。
効果作用時間
タダラフィルを含むED治療薬は、日本で承認されているのは日本新薬から販売されているシアリスのみであり、病院で取り扱っているのは5mg・10mg・20mgの錠剤になります。
多く服用したからといって勃起力がアップするわけではなく、10mgでは24時間程度、20mgでは36時間程度の作用時間があるとされています。
バイアグラやレビトラの作用時間が5~6時間なので、比較にならないほど長く効果を得ることが出来るのが魅力です。
シアリスは別名ウィークエンドピルと呼ばれており、金曜の夜に服用すれば日曜日まで効果が発揮されます。
10mgでも十分に効果を発揮してくれるので、普段使用するならば10mgで全く問題ありません。
さらに効果を得たいのであれば20mgを服用することをおすすめします。
シアリスと比べバイアグラやレビトラの作用時間が短いのは、短い時間で効果を発揮するという特徴が関係しており、シアリスより即効性の高い薬のためです。
シアリスはゆっくりと身体に留まり作用するので、効果が現れるタイミングが若干遅くなっています。
ですが効果時間が長いため、余裕をもって服用することでその問題は回避できますし、副作用が現れるのも緩やかなため、バイアグラやレビトラよりも副作用が軽いと感じる方が多いです。
- 参考文献
アバナフィルの効果について詳しくはこちら
KEGG:タダラフィル
おくすり110番:タダラフィル:シアリス
Medscape:Adcirca, Cialis
タダラフィルを含有する商品

タダラフィルを含む商品は、日本ではシアリスが有名ですが、海外や他の製品にも広く使用されております。
日本国内では肺高血圧症の治療薬や排尿障害の改善薬などにもタダラフィルは使用されており、その効果はED治療薬だけではありません。
シアリスは、米国のイーライリリー社から開発されていることもあり、海外ではジェネリック医薬品を含む幅広いED治療薬が存在しております。
日本では特許がまだ有効なため、シアリスに代わるジェネリック医薬品は販売されておりませんが、日本に住んでいる方でも個人輸入などをすることで手に入れることが可能です。
シアリスは、タダラフィルを使用した先発薬の位置づけになるので、特許が切れた後は価格の安いジェネリック医薬品が市場に多く出回ることが予想されています。
バイアグラやレビトラ以上に、タダラフィルを使用したED治療薬の需要は上がり続けるでしょう。
ここでは、タダラフィルを使用した治療薬にどのようなものがあるのか、海外のジェネリック医薬品を含め紹介いたします。
それぞれに特徴があり、タダラフィルを含んでいるからといって、何かの代わりに服用することがないよう注意をしてください。
シアリス
タダラフィルを含むED治療薬のうち、唯一日本で処方される薬がシアリスです。
日本ではバイアグラ、レビトラ、シアリスの3種類が認可されており3種類の中では一番新しいED治療薬となっております。
シアリスは、他のED治療薬よりも長く効き目が続くのが特徴で、発売以来100か国以上、1,000万人以上のEDに悩む方に使用されています。
2013年には世界シェア40%を超え、これからもその人気は伸び続けていくでしょう。
日本では2007年に承認されたこともあり、その知名度はあまり高くありません。
名前だけではバイアグラの方がよく聞くかもしれませんが、タダラフィルを含むシアリスはED治療薬として高い評価があり、バイアグラを使用していたED患者の多くがシアリスに乗り換えています。
その理由は持続時間の長さであり、バイアグラはおおよそ1錠で5~6時間の持続時間ですが、シアリスは24時間から最大36時間の持続時間があります。
また、食事によっての影響を受けづらく、飲みやすいED治療薬となっています。
シアリスは日本での特許がまだ続いているため、ジェネリック医薬品が処方されません。
保険外の薬のため、処方される際には高額になってしまうことがデメリットではありますが、そのデメリットに有り余るメリットがあるため、多くの方に愛用されております。
- 参考文献
シアリスについて詳しくはこちら
KEGG:シアリス
イーライリリー:シアリス
シアリスジェネリック(国内)
シアリスは、タダラフィルを含むED治療薬の先発薬として特許が続いているため、日本ではシアリスのジェネリック医薬品は処方されておりません。
世界ではすでにシアリスのジェネリック医薬品は多く発売されているので、日本でも2019年または2020年には特許が切れ、販売される可能性が高いといわれております。
ジェネリック医薬品は、シアリスそのものではありませんが、シアリスと同じ用法用量で服用できるように作られます。
初期の開発はすでにされているため、開発コストを抑えることができ、現在販売されているシアリスよりも1錠の価格を抑えること可能となります。
シアリスは現在、1錠2,000円程度で処方されているため、この負担を軽減できるのであればタダラフィルはもっと使いやすくなるでしょう。
ジェネリック医薬品は基本的に先発薬の特徴を引き継ぎながら、さまざまな+αの要素を組み込み販売されることもあります。
例えばバイアグラが初めて開発された際は錠剤でしたが、ジェネリック医薬品が認可されると錠剤より飲みやすいゼリー状や、水に溶かして服用することで効き目を早く感じることが出来るなどの付加価値がつくので、ジェネリック医薬品の方が飲みやすいこともあります。
シアリスジェネリック(海外)
シアリスのジェネリック医薬品は、海外ですでに製薬、販売されており、個人輸入を行うことで日本でも手に入れることが可能です。
特にインドでは独自の特許制度があるため、先行して流通しており幅広く使用されております。そのうちのいくつかを紹介いたします。
・メガリス
メガリスはインドの製薬会社、マクローズ社が開発したシアリスのジェネリック医薬品です。
10mgと20mgの2種で販売されており、桃色の錠剤になります。
その効き目はシアリスとほぼ変わらず、安定した持続時間を発揮します
大きな違いはジェネリック医薬品のため、1錠500円程度と安価で購入できる点です。
・シアスマ
シアスマはインドのスマート社から製薬、販売されております。
スマート社はバイアグラ、レビトラのジェネリック医薬品も販売しており、ED治療薬のジェネリック医薬品が有名な製薬会社です。
シアスマの他にスーパーシアスマという商品もあり、早漏を防止するための有効成分が含まれたものも販売しています。
シアスマの価格も、メガリスと同じように1錠につき500円程度と安価です。
ED対策にはシアスマ、早漏を気にする方はスーパーシアスマと状況によってはどちらも対策できることが魅力です。
他成分を含有するED治療薬
シアリスはバイアグラ、レビトラに続く第3のED治療薬として販売されております。
タダラフィルを含むシアリスと、他の2種類は同じような効果をもたらしますが、その薬の中に含まれる有効成分は違うものになっております。
バイアグラの有効成分は、シルデナフィルと呼ばれる成分です。
PDE5阻害薬として広く使用されている成分であり、もともとは狭心症治療を目的とした実験に使用されておりました。
狭心症には残念ながら効果はありませんでしたが、その副産物としてバイアグラが作られた背景があります。
肺動脈性肺高血症の薬にも使用されており、PDE5の阻害と血管拡張作用を持ちますが、体内で代謝されるスピードがタダラフィルと比べて早いです。
レビトラは第2のED治療薬です。
有効成分はバルデナフィルと呼ばれています。
バルデナフィルもPDE5阻害薬に分類されますが、シルデナフィル、タダラフィルとの違いは、最も勃起へ対しての効果が高いことにあります。
ED治療薬を服用するに対し、バイアグラは30分程度、タダラフィルは1時間程度で効き始めを感じますが、バルデナフィルは最短10分程度で効果が出てくるので、非常に即効性が高いとされています。
アドシルカ
アドシルカはシアリスと同じくイーライリリー社が開発し、日本新薬から販売されているタダラフィルを含む薬です。
その分類はED治療薬ではなく、肺動脈性肺高血圧症に用いられます。
肺動脈性肺高血圧症は、心臓から肺へ血液を送る際に、血管の内腔が狭くなることで血液が通りにくくなってしまう症状のことです。
肺動脈の血圧が高くなり、放置していると右心不全になる可能性があります。
アドシルカはそれを防ぐため、PDE5を阻害し血液を広げ、血圧を下げる効果があります。
アドシルカは成分もその効果もシアリスとほぼ変わりません。
しかしこのように別の名前で存在しているのには理由があります。
それが病気に対しての用法、用量です。
肺動脈性肺高血圧症では、アドシルカは40mgの用法となっております。
これは肺動脈性肺高血圧症に効果的な用量であり、ED治療に効果的に用量ではありません。
ED治療に対してのタダラフィル量は20mgと決まっており、それだけ摂取すれば十分に効果を受けることができます。
それ以上摂取しても、効果が大きくなることはありませんし、副作用だけが強く出る可能性があります。
主成分は同じでも、病気によって用法、用量は必ず定められたものが薬によって変わります。
- 参考文献
アドシルカ錠20mgについて詳しくはこちら
アドシルカ錠20mg
ザルティア
ザルティアは前立腺肥大症による排尿障害に対し、改善の見込みがあるとされる治療薬です。
有効成分はシアリス同様、タダラフィルとなります。シアリスやザルティアも結果からすると同じ薬剤になります。
こちらはアドシルカのように明らかな用量が違うということはありません。
しかし日本で処方される際には大きな違いがあります。
それが健康保険制度によるものです。
ED治療薬であるシアリスは健康保険が効かないため、どうしても処方される際は高額になってしまう薬です。
そのため続けるのが難しく、バイアグラやレビトラのジェネリック医薬品を使用する人も多いのですが、前立腺肥大症に対するザルティアは健康保険の範囲内となっております。
健康保険内と健康保険外の薬を同一の名前で処方するのは保険制度では難しかったため、ED治療薬として処方する際はシアリス、前立腺肥大症の薬として処方する際はザルティアという名称になるのです。
よって、同じ薬剤でも名称が異なるだけの違いになります。
シアリスの代わりに使用することはできますが、ザルティアを処方してもらう際には、前立腺肥大症と診断されなければ処方は難しいので、ED治療を行いたい場合にはシアリスを処方してもらったほうが早いでしょう。
- 参考文献
ザルティアについて詳しくはこちら
日本新薬株式会社:ザルティア 前立腺肥大症に伴う排尿障害改善剤
日経メディカル:PDE5阻害作用で排尿障害を改善
タダラフィルの服用方法

タダラフィルを含む薬は、その効果から幅広い種類があります。
ED治療薬として日本で知名度があるのはシアリスで、多くの方に使用されております。
また前立腺肥大症や肺動脈性肺高血圧症に適した効果を合わせもっているため、同じくタダラフィルが使用されております。
さまざまな症状の対策として使用されていますが、その服用方法は症状によって変わります。
用法用量の違いから、海外通販を使用する場合は、その形状は錠剤だけではありません。
ジェネリック医薬品の中にはより飲みやすく製薬されたゼリー状や、ODフィルムなど、タダラフィルと一言にしても多種多様な薬が販売されています。
よってタダラフィルには、症状に適した服用方法があり、同じタダラフィルだからといって同じように服用するのは、違う症状に対し使用するのは良いとはいえません。
ここでは、タダラフィルがどのような形で服用されているのか、症状別に製薬された薬の特徴を説明します。
もし違う症状の薬を入手してしまった際には、しっかりと見分けられるようにしておくのも入手に対し必要なことで、特に海外通販を利用する際には余計なリスクを負わずに済むようになります。
錠剤
タダラフィルを含む薬は、よく使用されるED治療薬であるシアリスをはじめ、ほとんどが錠剤です。
特に日本では、タダラフィルを含むED治療薬はシアリスのみ許可されているため、普段目にするものも錠剤が多くなります。
例えばシアリスは、日本で処方されるものは黄色の涙型で製薬されている剤形が多く、表面にタダラフィルがどれほどの量含まれているかが記されています。
これは日本で処方されるED治療薬に共通する特徴であり、バイアグラであればシルデナフィルが、レビトラであればバルデナフィルが含まれている量を記しています。
服用方法は、基本的に水で飲み込むのがほとんどです。
錠剤であるため、そのまま飲み込むことは少し難しいでしょう。
服用するならばそのタイミングを調節しなければいけません。
ED治療薬であるシアリスや、そのジェネリック医薬品であれば、服用し効果が表れるまで1時間前後となり、その後最大36時間の効果が持続されます。
デートの前など、飲めるタイミングで飲んでおくと良いでしょう。
また、効果を最大限受けたいのであれば空腹である事が重要になります。
タダラフィルは食事による影響は受けづらいですが、全く受けないというわけではありません。
錠剤以外
タダラフィルはほとんどが錠剤ですが、海外で作られるシアリスのジェネリック医薬品は錠剤以外のものも存在します。
例えばタダライズオーラルゼリーは、その名の通りゼリー状のタダラフィルをシアリスと同じ量配合した商品になります。
ゼリー状に加工しているので水なしでも飲みやすく、錠剤より溶けやすいため、若干効果が発揮されるまでの時間が短縮されるのが特徴です。
包装紙も小さいため、ED治療薬と気づかせないように工夫されています。
さっと飲めるゼリータイプは、日本では個人輸入を行わないと手に入れることはできませんが、世界では幅広く使用されています。
またタゼルと呼ばれる商品は、シアリスをフィルム状に加工した商品です。
こちらもゼリー状と同じく、水なしで服用できるのが特徴です。
服用方法もシアリスと変わりなく、性行為の1時間前に舌の上でゆっくりと溶かすように服用します。
形状が変わっても含まれている成分は同じタダラフィルのため、勃起力と長い持続時間は基本的に変わりません。
日本でもシアリスの特許が切れれば、このような多種多様なジェネリック医薬品が販売されることが予想されます。
肺高血圧症治療薬
タダラフィルの服用は、ED治療だけのためではありません。
血管を拡張する効果や、筋肉を弛緩させる効果はさまざまな薬に使用されています。
その1つが、肺高血圧症治療薬です。
アドシルカと呼ばれる錠剤がよく使用されており、シアリスなどと同じくPDE5阻害薬の1つになります。
肺高血圧症は、肺へ血液を送るために重要な血管である肺動脈の血圧が高くなることを指します。
血圧が高くなると血液を送る際に、肺と心臓に大きな負担がかかるため、他の機能障害を誘発させる原因になってしまいます。
これを解決するにはさまざまな方法がありますが、まだ軽度な症状であればPDE5阻害薬が使用されることが多く、シアリスに含まれるタダラフィルやバイアグラやレビトラに含まれる有効成分も、同じPDE5阻害薬として効果があるとされています。
これらを投与することにより、血管を拡張し、血圧を落ち着かせます。
タダラフィルに関しては、血中から成分が代謝される半減期が他のPDE5阻害成分よりも比較的長いため、1日に1錠の服用で良いことがポイントになります。
シアリスと使用目的は違いますが、併用禁忌薬や副作用は同じく現れます。
排尿障害改善薬
排尿障害改善薬にもタダラフィルは使用されています。
ザルティアと呼ばれる、シアリスと同じく日本新薬から販売されており、ほぼシアリスと同じ薬になります。
排尿障害は前立腺肥大症からくる症状の一つで、ザルティアは前立腺肥大症に対する初めての薬ということもあり、注目を浴びました。
前立腺肥大症はその名の通り、前立腺が大きくなってしまう病気です。
前立腺の細胞が増え続けることで尿道を圧迫します。
そのため尿がうまく出なくなったり、残尿感が強く残ったりといった症状が多くなります。
前立腺肥大症の治療には、大きくなった前立腺に隣接する筋肉を弛緩させ、尿道の通りをよくすることで改善します。
タダラフィルにはPDE5を阻害し筋肉の緊張を避ける効果があるので、有効とされています。
シアリスとザルティアは同じ有効成分であり、用量もあまり変わりませんが、使用するタイミングは前立腺肥大症とED治療では全くの別物です。
それぞれの服用方法を確認し、症状が改善されるタイミングで服用することが大切になります。
また排尿障害改善に対し、シアリスのジェネリック医薬品などを使用することも危険が高いとされています。
安全なジェネリック医薬品もありますが、排尿障害改善では医師の指示に基づいて治療が必要になるためです。
適切な摂取量
適切な摂取量は人により違いがありますが、日本ではED治療としてタダラフィルを服用する場合、1度の服用で20mgが上限となります。
タダラフィルは、多く服用したからといって強い効果が出るのではありません。
その量により変化があるのは持続時間で、10mgでは最大24時間程度。20mgでは最大36時間程度の効果が見込めます。
用量が多くなればなるほど副作用も強く出てしまうので、普段使用するならば10mgでも十分な量と言えるでしょう。
適切な摂取量は同じタダラフィルでも対象とする症状によって変わる場合があります。
例えば難病である肺動脈性肺高血圧症に対し、タダラフィルを使用する場合は1日に1度40mgを使用することで効果があるとされています。
しかしそれならば40mg服用しても平気、というわけではありません。
用量が多くなれば、デメリットの方が大きく感じられます。
得たい効果を適切な薬の量で得ることが一番身体にも優しく、かつ薬の量も節約できるのです。
現在、日本の病院で処方されるタダラフィルを含むED治療薬はシアリスのみです。
これは保険外治療のためどうしても高額になってしまいます。
少ない量の方が処方費用も抑えることができるので、続けていくためにも少ない量を処方してもらいましょう。
食事やアルコールの影響
バイアグラやレビトラは、食事による影響を受けることが一つの課題でした。
食事をとり、バイアグラやレビトラを服用する場合、しっかりとその効果を受けたいと考えた場合は約2時間空けてから服用しないと効果の半減が見られるとされています。
バイアグラやレビトラを必要とする時は、食事やアルコールを嗜むことも多いので、使用するタイミングが難しい問題がありました。
しかしタダラフィルを含むED治療薬は長い持続時間も相まって、とても飲みやすいED治療薬となっています。
食事の2時間前に服用しておけば、有効成分が先に体の中に吸収されるため、その後食事を行っても問題ありません。
確実に作用させるためには、空腹という状況が必要なので、その後最大36時間はタダラフィルの効果を適切に受けることが可能になります。
アルコールも問題ないといわれておりますが、アルコールには精神を落ち着かせる効果があるので、そもそも勃起がしづらくなることがあります。
万全の状態にしたいのであれば、アルコールは控えることが良いでしょう。
バイアグラやレビトラは作用時間が短いのでこのような使い方はできませんが、タダラフィルの長い作用時間であれば先に服用できるのでオススメできます。
タダラフィルの副作用

タダラフィルの副作用は、他のED治療薬であるバイアグラやレビトラと比べて比較的少ないとされております。
しかし副作用が全くないというわけではなく、併用注意薬と併用禁忌薬も存在しますので、初めて使用する方は特に副作用がどのようなものであって、服用後どのくらいで起こるのかを把握することはとても重要なことになります。
また体調によっては一般的な副作用以外の症状が見られる場合もあるので、症状によっては病院で診断してもらうことも必要です。
タダラフィルを病院で処方してもらう際には、用法用量はしっかりと説明されることが多く、必要な分しか処方されませんが、海外通販から取り寄せる場合などはそのような注意が目立ちにくくなってしまいます。
副作用が強すぎると感じた場合は、服用する量を調節することにより副作用を回避することも大切です。
タダラフィルは食事やアルコールなどの影響も比較的少ないとされていますが、副作用と同じく全くないわけではありません。
大量の食事とアルコールの後にタダラフィルを服用しても、その効き目が空腹時と必ずしも同じではないので、効果を最大限発揮し、副作用を少なくするのならば正しい飲み方は必ず知っておきましょう。
おもな副作用
タダラフィルを含むED治療薬は、他のED治療薬と比べ副作用が出にくいといわれております。
しかし全くないということではありませんので、副作用の発生が少なからずあり、どのようなものなのかはED治療薬を使用することに対し重要なことです。
臨床試験時に確認された副作用は、頭痛や顔のほてり、消化不良があげられています。
これらの副作用は、タダラフィルの影響によって引き起こされるものです。
タダラフィルは血管を拡張することにより、陰茎に多くの血液を流れさせる役割を担っておりますが、この血管拡張作用は陰茎ではなく全身に効果があります。
そのため、服用後は血の巡りが重量に引っ張られるように下に貯まりやすくなるため、脳に酸素供給が少なくなってしまいます。
そのためバイアグラやレビトラも同じような副作用が存在し、その副作用が感じられることは有効成分がしっかりと効いている証にもなります。
消化不良も多く報告される副作用ですが、こちらはタダラフィルの筋肉を弛緩させる効果によるものです。
消化の際は平滑筋との収縮によって消化を助けますが、この収縮が弛緩により動きづらくなることが原因になります。
どちらにしても時間が経つにつれ徐々に収まる副作用で、身体に問題はありせん。
まれにみられる副作用
タダラフィルを含む治療薬で、頭痛や消化不良のほかに持続性勃起症になることがまれにあります。
持続性勃起とは薬剤によって発症することがある疾患で、陰茎が勃起したまま戻らなくなってしまうことです。
通常、興奮が収まると陰茎も自然と戻りますが、興奮がなく、射精に至った後でも勃起状態のまま6時間以上経過することがあります。
その際に持続性勃起症と診断され、時には陰茎に痛みを感じることがあります。
これはタダラフィルだけではなく、さまざまな薬剤にて低頻度で発生します。
代表的なものは、タダラフィルを含むPDE5阻害薬、α遮断剤、末梢閉鎖性動脈疾患治療薬です。陰茎を含む血液の拡張する薬剤が代表的です。
また極稀に視覚障害を発症することがあります。
これはPDE5阻害薬全般に関係することですが、身体にはPDEが1から11まで存在しさまざまな役割を担っています。
PDE5阻害薬は、他のPDEにもある程度影響することが知られており、その中でもPDE6は網膜の視細胞に多く含まれております。
その阻害影響はごく僅かとされておりますが、視覚に異常が見られた際は軽い副作用であるか、または重症になりそうであれば早めに医師の診断を仰ぐことが必要になります。
効果・副作用が強いと感じた場合
タダラフィルを含む治療薬はさまざまなものがあり、用法用量が定められておりますが、実際に適した用量は人によって違いがあります。
例えば日本で販売されているシアリスは5mg,10mg,20mgの量があります。
日本人は外国人と比べ比較的小柄な体系です。
そのため少ない量でも十分に効果があるとされています。
もし10mgが処方されていても、まずそれが自分に合っているのか試さなければいけません。
もし最初に服用してみて効果や副作用が強いと感じた場合は、その大半が用量多く服用してしまった時です。
その時は処方されたED治療薬は小さくして服用すれば、副作用を抑えることもできますし1回の使用量を節約することにもつながります。
病院ではなく、海外通販を使用してタダラフィルを入手した場合、海外で作られた薬は海外向けのため、日本の基準より多くのタダラフィルを含む場合があります。
他のED治療薬においても、海外製品の方が、大きい場合が多いので、その際にもピルカッターなどで量を調節することが望ましいでしょう。
決して一粒が誰にでも適応する量ではありませんし効果や副作用がどれくらい自分に現れるのか、実際に使用するより前に確かめることが大切です。
- 参考文献
タダラフィルの副作用について詳しくはこちら
WebMD:Tadalafil Oral
タダラフィルの併用注意

薬はさまざまな種類があり、人によっては1日に何種類もの薬を飲むこともあります。
その薬は1つだけならば体に良い影響をもたらしますが、お互いの効果が干渉し合うことで効果が変わり、強く出たりする場合があります。
そのような薬を併用注意薬と位置づけ、さまざまな薬に対し明記されています。
昨今ではお薬手帳の普及により、今まで服用してきた薬の内訳が薬剤師にも簡単にわかるようになっているので、併用注意薬に対しての危険性は低くなったといえるでしょう。
タダラフィルにも併用注意薬は存在します。
併用注意薬は体調や状況によっては服用することも可能なので、一番良い方法は医師や薬剤師の指示を仰ぐことです。
もし併用して服用した際に、少しでもいつもと違う作用や、気分が悪くなってしまった際はその薬の飲み合わせが本当に正しいのかを確認してみてください。
また、そもそもEED治療薬に対しそもそも身体が適合していないことも稀にあります。
生活習慣病や持病を持っている方は特に注意が必要です。
慎重に使う必要がある方
タダラフィルは誰にでも効果があるというわけではありません。
その人の体調や持病により薬の効果が正しく発揮されない場合も多くあります。
すでに持病を持っている方や生活習慣病、また高齢の方などは特にタダラフィルを慎重に扱わなければいけません。
ただ目先の効果だけを見て、乱用してしまうと想定していなかった副作用や効果を受けてしまうこともあります。
持病を持っている方は、肝臓や腎臓または血液の病気を持っていて、薬を常用していると注意が必要になります。
そのような薬はタダラフィルと同じ効果を持っている可能性が高く、併用するとより強い効果になってしまうためです。
使用には医師の指示を仰ぐ必要があります。また高齢の方も注意が必要です。
タダラフィルの使用に年齢制限の上限はありませんが、高齢になるに従い常用する薬は多くなります。そもそもの体力がなくなっていることもあり、薬を服用したとしてもその効果がしっかりと代謝しきれません。
いつまでも体内に薬が残ってしまうと副作用が強く出てしまうので、体調を崩しやすくなってしまいます。
高齢になっても性を楽しむために、ED治療薬は必要になるものですが、そのリスクもしっかりと考えましょう。
併用注意薬
タダラフィルを含んだ製品の主な併用注意薬をいくつか紹介します。
α遮断薬α遮断薬は主に血管を収縮させる効果を遮断することで血管を拡張する効果を持ちます。
タダラフィルを含む製品も同じ役割を持つため、血圧の減少や血管を拡張しすぎてしまい、頭痛などの副作用が強く出る可能性があります。
主な商品名はテラゾシン、ドキサゾシンなどです。
降圧剤降圧剤は高すぎる血圧を下げるための薬です。
血圧を下げるためには血管を拡張しなければいけないので、α遮断薬を同じくタダラフィルを含む商品の併用注意とされています。
主な製品名はアムロジピン、エナラプリルなどです。
CYP3A誘導薬CYP3A誘導薬は、タダラフィルの効果をより早く代謝させてしまう可能性があります。
36時間の持続効果があるタダラフィルでも、どれほど効果が続くのかわからなくなってしまうので、併用には注意が必要です。
急性心不全治療薬急性心不全治療薬(商品名ハンプ)にはカルペリチドと呼ばれるものがあり、これが併用注意薬として知られています。
ハンプは注射で行う薬のため、個人で入手することはありませんが、病院で使用する際には事前にED治療をしていることを伝えておいた方が安全です。
- 参考文献
タダラフィルの併用禁忌について詳しくはこちら
KEGG:薬物間相互作用
タダラフィルの併用禁忌薬

併用禁忌薬は前述した併用注意薬とは違い、どんな場合にでも絶対に併用してはいけない薬の区分のことを指します。
特にED治療薬全般は併用禁忌薬が幅広く、普段服用している薬が併用禁忌だったということも珍しくはありません。
ED治療薬はその効果の多くが血管の拡張作用を持つため、同じく血管拡張作用を持つ薬剤は基本的に禁忌とされています。
普通の風邪薬などは、併用注意薬はあっても、併用禁忌薬はありません。
ED治療薬はそれだけ体のさまざまな場所に作用して効果を得る薬です。
もし併用禁忌薬を摂取してしまった場合、最悪の場合命の危険さえ発生します。
タダラフィルを含む代表的なED治療薬シアリスは、バイアグラやレビトラよりも副作用が出にくいとはされていますが、まったくないわけではありません。
もともと飲んでいた薬や、その日の調子によっても副作用が強く出てしまうことがあるので、少しでも心配な点がある場合は医師の指示を仰ぐことが大切です。
タダラフィルを初めて使用するならば、併用禁忌薬の知識は必ず必要です。
服用に対して注意をしなければいけない方と、具体的な併用禁忌薬を説明します。
服用してはいけない方
タダラフィルに限らず、そもそもED治療薬の服用が難しい方がいます。
ED治療薬は種類が違っても、体にどのような影響をおよぼすかは似ている場合が多く、1つは勃起を促進するために血管を拡張する作用。
そしてもう1つは勃起を鎮める際に分泌されるPDE5と呼ばれる体内酵素の阻害です。
タダラフィルはこの2つの作用があるので、同じような作用をもたらす薬は併用禁忌薬の場合が多いです。
特に血管を拡張する薬はさまざまな種類があり、心筋梗塞や脳出血、脳梗塞などの血管に関係する病気を持っている方に対して処方されていることが多いです。そのような持病がある方へのタダラフィルの処方は基本的にされません。
また、狭心症の方も服用は禁止されます。狭心症の治療には硝酸剤が使用されますが、この硝酸剤が入っているものはすべて併用禁忌薬に指定されます。
タダラフィルと同じく、血圧を低下させる要因があるため、血圧を下げすぎてしまう危険性があるためです。
このように、服用してはいけない方は気づかないだけで多くおられます。
特に生活習慣病などの影響が現れやすい高齢者の方はその危険性が高いので、ED治療薬を使用する際は注意しましょう。
併用禁忌薬
シアリスの具体的な併用禁忌薬を明記します。
硝酸剤を含むもの
アイトロール錠、一硝酸イソソルビド錠など
硝酸剤を含むものはほぼすべてが併用禁忌薬に指定されています。
血圧を低くする作用が多いため、タダラフィルと併用することで血圧が異常に低くなってしまい、脳に血液が回らなくなってしまいます。
タダラフィルの副作用である頭痛はある程度は軽度で起こるものですが、それが強く出たり、脳に酸素が行き渡らなくなるため気を失ってしまうこともあります。
よく併用して服用することが禁止だと思われる方がいますが、硝酸剤に関しては飲み薬のほかにも貼り薬やスプレー、注射などさまざまな種類があり、そのどれもが禁忌薬になっています。
慢性血栓塞栓性肺高血圧症治療薬
アデムパス錠
慢性血栓塞栓性肺高血圧症治療薬は細胞内のcGMP濃度が増加する作用があります。
cGMPは血管を広げるための役割を持つため、タダラフィルの効果と同じく作用し低血圧を引き起こしてしまうため、併用禁忌薬とされています。
薬品名として指定されている併用禁忌薬は、バイアグラやレビトラと比べて少ないため、タダラフィルは比較的安全な薬ともいえるでしょう。
タダラフィル商品を入手する方法

タダラフィルを含んだ商品を入手する方法は大きく分けて2つあります。
1つがED治療専門のクリニックで処方してもらう方法、そしてもう1つが、海外からの個人輸入です。
普通の病気ならば、病院に行って薬をもらえばいいと考える方が多いかもしれませんが、ED治療に対してはそのような考えをしにくい方もいらっしゃいます。
まずED治療は保険適用外になるため、クリニックでの薬の処方が高額になってしまうこと。
そしてもう一つの要因として、ED治療という病気の特性上、できるだけ周知しないように治療してしまいたいと考える方が多いためです。
そのような方にはクリニックでの処方ではなく、すでに販売されている薬のジェネリック医薬品(後発医薬品)を海外から入手することも可能です。
ジェネリック医薬品は日本ではまだ認証されていないためクリニックでは処方されず、ドラッグストアなどでも販売はされていません。
個人輸入は海外特有の危険性も多く、タダラフィルを含んだジェネリック医薬品は数100種あるといわれており、その中には偽造品も多くあります。
そのため自分でネットショップを判別する眼が必要になります。
クリニックか、それとも通販か、その判断の仕方を紹介していきます。
国内処方
タダラフィルを含むED治療薬は、国内ではシアリスと呼ばれる商品のみが認可されており、まだ薬の特許が切れていないため、ジェネリック医薬品は存在しません。
よって国内処方での入手はシアリスのみになります。
シアリスはドラックストアなどでは販売されていないため、入手には必ずクリニックを経由しなければいけません。
クリニックで処方することのメリットは、安全性が高いことです。タダラフィルには併用注意薬や併用禁忌薬が存在し、服用の仕方やどの程度服用するべきか適切なタイミングがあります。
クリニックではそのような説明を詳細に聞くことができ、もし薬が効かなかったとしても他のED治療薬に切り替えることも用意です。
デメリットは、まず処方される薬の値段が高額であること。
シアリスは保険が効かない薬であるため、1錠につき2,000円程度かかってしまいます。
1シートに4錠しか入っていないため、頻繁に使用する方なら通院する回数も多くなってしまいます。
また、EDで通院するのは少し恥ずかしいと思われる方もいるので、全員が国内処方に頼っているわけではありません。
通販購入
国内処方が難しい方や、シアリスの値段の高さが気になる方は通販でもタダラフィルを含むジェネリック医薬品を入手することができます。
薬事法範囲内であれば個人輸入は禁止されておらず、インターネットの発展とともに比較的容易に購入することが可能になりました。
ただ、大手通販会社であるAmazonや楽天では取り扱っていません。
メリットとしては、その価格の安さです。
海外ではシアリスのジェネリック医薬品が多く販売されており、1錠当たりの価格も安いものでは300円程度で購入することができます。
また購入するために通院する必要がなく、自分にあったED治療薬を見つけることが出来れば定期購入が簡単なのも魅力です。
デメリットとしては、偽造品が多いことです。
タダラフィルを含むED治療薬は人気があるため、偽造品も多く流通しております。
特に海外通販であれば勝手がわからないことも多く、不安に思うこともあるでしょう。
ニセモノに注意
ニセモノが流通している事実があっても、個人通販を行う方やクリニック以外で薬を入手する場合、どうしても自分だけは大丈夫と思う方が多いといわれます。
しかし、しっかりと注意をしなければ思わぬ落とし穴にはまってしまうことがあります。
実際にED治療薬を販売している大手製薬会社が調査したデータによると、インターネットショップで販売されているED治療薬の約4割が偽物だったという調査結果もあるほど、偽物は多く流通しております。
わかりやすいものでは、錠剤にシアリス50と書かれている薬もありました。
シアリスは20mg以上では販売されていません。
そのため『より多くタダラフィルを含む』などの煽り文があっても、それはニセモノかもしれないと疑う必要があります。
価格などが気になり、個人輸入代行サイトを使用する場合には、注意をしてショップを選ぶことが必要になります。
- 参考文献
ニセモノのシアリスによる症例報告について詳しくはこちら
偽造シアリス?(タダラフィル)により重篤な低血糖症を来たした一例
タダラフィルのまとめ

タダラフィルは、ED治療薬としてとても指示されている薬です。
海外では特に顕著であり、その持続時間や食事に影響さないのはED治療に対しとても魅力的になっています
日本ではまだ販売されて間もなく、バイアグラの名前が広く知られているため、以前まではバイアグラがED治療薬のシェアトップでした。
しかし、タダラフィルを使用したシアリスは特許継続があるにも関わらず、日本でもシェアを伸ばしております。
必要な場面に合わせて薬を選ぶことは重要ですが、もしまだシアリスを試していなくて、バイアグラやレビトラに不満があるのならば、一度試してみることをおすすめいたします。
参考文献
医薬品情報サイト
PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)
国立医薬品食品衛生研究所医薬品医療機器審査センターや財団法人医療機器センターにおける業務の一部を担い、医薬品や医療機器の承認審査、医薬品の副作用・生物由来の感染症などの被害からの救済、国民の安全対策などを行っている機関のサイトです。
ED and BPH Treatment | CIALIS (tadalafil) tablets
イーライリリー社による、ED治療薬「シアリス」の効果効能、服用方法、副作用、注意事項などについてのサイトです。処方情報をはじめ、患者に対しての情報とより専門的な医療関係者に対しての情報がそれぞれ記載されています。
KEGG
日本医薬情報センター(JAPIC)から提供された医薬品の添付文書や、国内では販売されていないアメリカの医薬品の添付文書も確認できるサイトです。
薬の一般名や有効成分、会社名、JAPIC IDなど複数の項目から検索可能です。
おくすり110番
病院で処方される医薬品の効果や有効成分、服用方法、併用禁忌薬など詳しい情報が検索できるサイトです。
各医薬品の添付文書が見られるほか、病気別の薬の検索や禁忌薬に特化したページ、薬価の検索、薬用植物図鑑など幅広い情報が載っています。
Medscape
医薬品の有効成分についてだけではなく、最新の医療ニュースや専門分野別の病気や疾患、各身体箇所の解剖学、薬物の相互作用チェッカーなど、医療系全般の知識が学べるサイトです。
医師のコミュニティも設置されており、オンライン上で相談することも可能です。
Pub Chem
アメリカの国立バイオテクノロジー情報センターによる成分情報サイトです。
成分の概要から作用機序、構造式、分類など、より専門的な情報を閲覧できます。
作成日と変更日が記載されていて、新しい情報を常に確認できます。
WebMD
病気や症状についての情報や日常生活における習慣など、健康に関するニュースが載っているサイトです。
医薬品の有効成分だけではなく、健康食品の検索も可能です。
また、BMI電卓やフィットネスカロリー・フードカロリーカウンター、排卵計算機などのツールも充実しています。
製薬会社サイト
日本新薬
京都に本社を置く製薬会社の1社で、医薬品や食品添加物の製造・販売を行っています。
ブラダロンなど泌尿器系や血液腫瘍に対する医薬品の開発で知られ、近年では核酸医薬品の研究開発に力を入れています。
日本イーライリリー
糖尿病治療薬「インシュリン」を開発したイーライリリー社の子会社である、日本イーライリリー社のサイトです。
中枢神経系の疾患や骨粗しょう症、がん、抗うつ薬、自己免疫系の疾患、関節リウマチ治療剤などさまざまな病気の医薬品を開発・販売しています。
情報サイト
日経メディカル
医師や薬剤師、看護師、医学生など医療関係者を対象として医療系の情報やニュースを発信しているサイトです。
最新の医学情報だけではなくコラムや海外の論文の案内、処方薬辞典など幅広いコンテンツを網羅しています。
行政機関サイト
厚生労働省
生活の保障や経済発展のため、国民の健康や子育て、社会福祉、介護、雇用・労働、年金に関する政策を所管している国の行政機関のサイトです。
医療保険制度の制定も担い、海外医薬品の輸入に関する規則や検査も行っています。
関連商品
シアリスは、アメリカのイーライリリー社が開発したED(勃起不全)治療薬です。
効果が最大36時間持続し、服用時の食事の影響もありません。
2003年の販売以降、100か国を超える国で認可され、1,000万人以上の方に利用されており世界で最も利用されているED治療薬となります。
日本国内では、バイアグラ・レビトラに次いで開発された第3のED治療薬として、2007年に認可され、5㎎/10㎎/20㎎の3規格で販売が開始されました。
メガリスは、インドのマクレオーズ社が製造しているED治療薬で、シアリスジェネリック医薬品の中でも人気の製品です。
シアリスと同じく、タダラフィルを有効成分として含んでいます。
有効成分タダラフィルが含まれたメガリスは、効果の持続時間が24~36時間と非常に長く、性行為を安心して楽しみたい方におすすめです。
食事の影響を受けにくいため、時間や食事のタイミングを気にせず服用できるのも大きなメリットといえます。
タダシップは、インドのシプラ社が開発したED(勃起不全)治療薬です。
世界で最もシェアの高い3大ED治療薬シアリスのジェネリック医薬品で、EDの原因となるPDE5酵素を阻害することで勃起を促します。
従来のED治療薬とは異なり、効果持続時間は最長で約36時間とされています。
シアリス同様、体内にゆっくりと浸透していくため、食事の影響をあまり受けず、副作用が少ないという点と、シアリスと比べ低価格で購入できるメリットがあります。
スーパータダライズは、サンライズレメディーズ社が開発した男性機能改善のED治療薬です。
ED(勃起不全)改善の成分と早漏改善の成分、この2つが主成分として配合されています。
ED改善に有効な成分はシアリスにも使用されているタダラフィル。長時間作用が特徴で、性行為のタイミングを気にせず使用することができます。
またもうひとつの主成分ダポキセチンには、通常の時間から3倍~4倍射精到達を引き延ばす効果があります。
タダポックスは、インドのサンライズレメディーズ社が開発した早漏防止効果とED(勃起不全)改善効果を併せ持つ治療薬です。
3大ED治療薬シアリスのタダラフィルと、早漏改善薬プリリジーのダポキセチンが成分として配合されており、男性特有の2大障害をまとめて解決してくれます。
勃起促進効果が最大36時間と長い持続性があり、早漏改善効果は射精到達時間を通常の3~4倍の期待が見込めます。